湯徳章 私は誰なのか 作品情報
とぅんてっちょんわたしはだれなのか
1947年3月13日、今では整備された台南市のロータリーの中心にある公園で、一人の男が処刑された。その名は湯徳章(トゥン・テッチョン)。日本人の父と台湾人の母の間に生まれ、弁護士となった彼は勃発した“二二八事件”の最中、身を挺して混乱の収拾に尽力。多くの市民を守りながらも、軍に逮捕されて拷問を受け、町中を引き回された上、40歳の若さで公開処刑されたのだ。湯徳章が生まれたのは1907年、台湾が日本の植民地だった時代。先住者と日本からの移住者との間に生じる摩擦の中で、“台湾人”というアイデンティティが形成された時代でもあった。日本の敗戦後、ほどなくして台湾は中華民国政府の統治下に置かれるが、国民党政権の抑圧や腐敗に、台湾民衆は不満と怒りを募らせていく。その衝突をきっかけに起こったのが、“二二八事件”だった。以降、長きにわたる言論弾圧と戒厳令が敷かれ、事件にまつわる人や物事を語ることは禁じられ、記憶の奥深く、静かに封じられていった。台南には、“湯徳章”の名を冠した旧居や道路が残されているが、多くの台湾人、さらには台南の地元住民でさえ、その人物像を知る者は少ない。 映画は彼の足跡を辿る旅に観客を導いていく。養子である息子や姪、果物屋の店主、ジャーナリスト、歴史家、作家、当時の新聞記事……。彼と関わりのあった人々の証言や記録を紐解きながら、湯徳章の人物像、そして彼が歩んだ人生の輪郭を少しずつ浮かび上がらせていく。台湾の未来を切り開こうとしながらも、その志を果たす前に命を奪われた彼の想いとは……。これは、単に湯徳章のアイデンティティを探求する物語ではなく、台湾の記憶を辿る物語でもあるのだ。
「湯徳章 私は誰なのか」の解説
台湾で生まれ育った日本人たちの望郷の想いを記録したドキュメンタリー「湾生回家」の黄銘正(ホァン・ミンチェン)監督が、制作の連楨惠(リェン・チェンフイ)とともに共同監督したドキュメンタリー。日本統治そして国民党による一党独裁体制へと続く1947年の台湾で起きた“二二八事件”。その混乱のさなかで処刑された弁護士・湯徳章(トゥン・テッチョン)の足跡を辿る旅を通じて、忘れ去られた台湾の歴史を掘り起こしていく。「親愛なる君へ」の監督を務めたチェン・ユウチェーが当時を再現するパートに出演した。
公開日・キャスト、その他基本情報
| 公開日 | 2026年2月28日公開予定 |
|---|---|
| キャスト |
監督:ホァン・ミンチェン
リェン・チェンフイ
出演:チェン・ユウチェー |
| 配給 | 太秦 |
| 制作国 | 台湾(2024) |
| 上映時間 | 93分 |
| 公式サイト | https://thngtek-chiong.com/ |
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