P.N.「鎌倉の御隠居」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2026-03-20
完璧な映画化、続編期待:映画『爆弾』レビュー
遅まきながら佐藤二朗の怪演が話題の映画『爆弾』(永井聡監督ワーナー・ブラザース)を劇場鑑賞。137分の長尺、全く緩むことなく呉 勝浩の原作をほぼ完璧にまとめ上げた八津弘幸、山浦雅大の脚本が秀逸である。映像もしっかり創りこまれて見応え十分、昨年10月末の公開でなお劇場で上映が続いていること、大いに納得の仕上がりである。
佐藤二朗の人物造形が原作のイメージ通りで、余人をもって変え難い持ち役となる勢いがある。本作が代表作となること間違いなし。相対する警視庁の類家に扮した山田裕貴も大健闘で、これに伊藤沙莉の倖田沙良のトリオで、同作にひけをとらない圧倒的読了感に満ちた続編の『法廷占拠 爆弾2」の早々の映画化を期待したい。
緊迫の会話劇と激烈な爆破シーンとが良いバランスで、冒頭のタイトルバックに散髪シーンが挿入されているあたりにドラマ造りの手腕がさりげなく披瀝されている。
原作に横溢するスピード感をよく具現化し、そもそも原作者呉勝浩に同作の着想をもたらしたとおぼしきトマス・ハリスの『羊たちの沈黙』(ジョナサン・デミ監督オライオン・ピクチャーズ)のレクターとクラリスで映画史にその名を刻すアンソニー・ホプキンスとジョディー・フォスターを連想させる上質さに、韓流に遅れをとるばかりの邦画の未来を明るく予見させる可能性を看取したことだった。原作と映画との幸福な出会いに喝采!
