P.N.「鎌倉の御隠居」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2025-10-28
第38回東京国際映画祭オープニング作品。吉永小百合さん、のんさん、阪本順治監督の挨拶付き上映。
登山家田部井淳子さんモデルの実話ベース脚本で、前情報一切なしでの鑑賞。やや予想外の展開ながら、エベレストを目指し始めた頃から、晩年の名高い東北の高校生富士山登山までが淡々と描かれている。登山家として真っ直ぐに生き切ったひとりの女性の時空をただ美談にのみしない展開に、ある意味、納得。全くの門外漢、一般の外野として、上部だけを知るばかりであったなと、周囲との軋轢や家族問題まで様々に知らされることが多々あった。もう少しスピード感があってもよかったかな、と思いつつ、登山の場面でしばしば聞こえる、ゆっくりでいいから、に合わせての歩調なんだろうとも受け止めた。抒情や熱量も、やや足りない印象だが、伝記映画のひとつの範を示す仕上がりではあると評しておこう。
