蔵のある街 感想・レビュー 5件

くらのあるまち

総合評価3.6点、「蔵のある街」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「大型画面」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2025-09-04

映画をハシゴ鑑賞する時は鑑賞する順番を考慮すべきだと改めて悟りました。

福山シネマモードにて「子鹿のゾンビ」⇨「アイム・スティル・ヒア」⇨「蔵のある街」⇨『三谷幸喜「おい、太宰」劇場版』の順で見る。久々の4連続は少々疲れるが、サービスデイ料金は有難い!

私は、前回この「蔵のある街」を佳作と評し星3つの採点をした。だが今回、今年のアカデミー賞で作品賞を含む3部門にノミネートされ、見事国際長編映画賞に輝いた「アイム・スティル・ヒア」の直後に見たもんですから、脚本、演出、演技力などあらゆる点で前回はそれほど気にならなかった場面の醜さが際立って感じてしまったのである。甘っちょろい平和ボケした連中の作った映画としか思えなかった。台詞棒読みの方の多いこと。心底悪い人物が登場しないのも気持ち悪い。星3は変更しませんが、ある特定政党支持者の方々向けの映画なのかとさえ感じた出来の悪さでした。秋田大曲の花火映像欲しかったなあ。

とにかく、作品のテイストが違うとはいえ「アイム・スティル・ヒア」の直後に鑑賞した私がいけなかったな。

P.N.「大型画面」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2025-08-22

全国公開スタート。早速見てきました。

まあね、ご当地映画は地元がそれこそ官民あげて盛り上がらんと全国区にはならんよ。マスメディアに乗っかってもらい、観客が10人程度でも大入り大盛況と言わんとね。

さて本編ですが、つまらなくはなかったが、絶賛するほどの映画ではないと思う。佳作かな。倉敷が舞台でなくとも似たような風光明媚な街なら(設定を置き換えて)出来る映画だ。倉敷でなければダメという作品への強いものが感じられなかった。蔵なら他所でもあるし、花火なら他でも上げられる。いろいろ問題を抱えている人間は倉敷だけに住んでる訳じゃない。

その昔、我が町福山を舞台にしたご当地映画「たべんさい、広島・ラーメン物語」を見た時の酷さを思えば、「蔵のある街」は金払って映画館で見る価値はある。合格点は付けていいただろう。

お願い! 自治体の長を安易に映画に登場させるのいい加減やめてくれんかい!

P.N.「あおい」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2025-08-11

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

「蔵のある街」は、観光地「倉敷」の綺麗な風景とそこで暮らす人々の生活風景が入り混じった魅力ある映画である。高校生の青春ものというだけでなく、ヤングケアラーという社会問題を考えさせられたり、大人が忘れてしまった純粋さを取り戻せる仕立てにもなっている。主人公が家族や将来について思い悩む様子は、見ていて切ないし応援したくなる。もう一人の主人公が大人達を説得する場面は、心に刺さった年配の観客も多いのではないか。生きることの辛さや楽しさを上手に表現されていてずっと感動しっぱなしであった。全国公開後は、岡山の人でなくても倉敷美観地区に興味がある人も無い人も是非見てほしい。そして、髙橋大輔選手の演技が自然で良かった。倉敷出身の俳優陣も脇を固めていた。特に、堀家一希さんの演技は研究を随分されたのであろう、素晴らしい。伊東香織市長も出演されていて笑みがこぼれた。主題歌の手嶌葵の曲がなんとも良くて映画にあっていた。

P.N.「ポン」さんからの投稿

評価
★★☆☆☆
投稿日
2025-07-30

MOVIX倉敷での先行公開に出かけてきました。

ウ~ン、ウ~ン、ウ~ン…いや、悪くはないと思いますが、結局ご当地映画によくありがちなことに落ち着きそうで…。

そりゃあいろんな方面から大人の事情があるのでしょうが、もう地元TVニュース(NHK・民放各局)、地元ラジオ局(AM、FM)、新聞社等マスメディアのこれでもかと言わんばかりのヨイショ報道にウンザリですわ。
 
数年前、岡山県でロケされた映画「でーれーガールズ」や「種まく旅人 夢のつぎ木」がそうだったように、地元だけが騒いで終わっちゃう典型的なご当地作品じゃないだろうか。事実倉敷はかなり客入りがいいようですが、岡山市内のシネコン2社(イオンシネマ、TOHOシネマズ)はこの作品を完全スルー。結局ミニシアターで8月8日から3週間だけの上映予定となりました。

職場の同僚に尋ねたら、この映画のこと知ってた方は数人。で見に行くかと聞いたら、「国宝」見たいという答えが多く返ってきました。

ご当地映画って所詮その程度の認知度だよね…。

P.N.「安曇」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2025-05-05

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

地元倉敷を舞台とした映画制作を切望されながら断り続けた平松監督だが、コロナ禍での花火打ち上げの実話を聞きようやく首を縦に振った。それがこの物語の種子であるのは事実だが、そうして立ち上がった企画も資金調達に至らず一度は頓挫し、パイロット版制作を通じて気運が高まり遂に映画化を実現したという「もう一つの実話」が、この物語を芽吹かせた慈雨だったように思う。(パイロット版と映画版でのいわば「窯変」はこのプロセスゆえに生じたのではないか)
40秒版予告編で高橋大輔演じる古城緑郎が「君たちが花火にこだわる理由は何?」と山時聡真が演じる蒼と櫻井健人が演じる祈一(黄)に問う言葉は様々な登場人物を通じて形を変えつつリフレインされ「綺麗なことは大切だよ」という真意に収束していく。それは現実に押し潰されそうな中島瑠菜演じる紅子が、感情を表現できないだけで自我を持つ兄きょんくん(演じるのは堀家一希)の自立に気づき、家族(白神家)との関係を再構築していくきっかけとなり、若者に振り回されているという認識だった大人たちに巡り巡って「ふるさととは」という当事者意識を生じさせた。
花火打ち上げの実話をベースにしながらも伝建地区である美観地区では花火は上げられない。それでも監督と実行委員会は美観地区に花火を上げた。心の中に花火を視ることが人にはできる。
120秒版予告編で古城が「想像してみませんか?」と語りかけるこの言葉は、現実を変えていくのは何なのかという問いでもある。
ファンタジーとリアルの狭間で。白赤青黄緑の風船を持つ橋爪功が何とも印象深い存在感を放っている。あれは映画冒頭の紅子の独白にある「絵の神様」なのではないかと思った。
明確に倉敷を映すが、ご当地もの映画には留まらない。見終わった後に感じるのは、考えさせられるのは、自らのふるさとや家族、大切な人々との「つながり」についてだった。

最終更新日:2025-10-05 02:00:02

広告を非表示にするには