若き獅子たち 作品情報
わかきししたち
中欧に戦雲がただよいはじめた1938年のドイツ、ババリア。年末の休暇でこの地方を訪れたマーガレット(バーバラ・ラッシュ)は、純粋な青春の情熱をナチズムにかけるドイツ青年クリスチャン(マーロン・ブランド)と、心通じあいながらも、食い違う何か冷たい壁を感じて、1人ニューヨークにたった。2人の青春はこうして別れた。中尉として第二次大戦に参加したクリスチャンは、パリに入城し、戦友ブラント中尉(P・ベア)の紹介でドイツに反感をもつパリ女フランソワーズ(L・モンテベッキ)を知り、ふとナチの政策に疑問をもった。ベルリンでの、上官ハーデンバーグ大尉(マクシミリアン・シェル)の妻グレッチェン(マイ・ブリット)との情事。そしてロンメル将軍麾下の北阿戦線での大尉の重傷と自殺。清純なフランソワーズに対する自己嫌悪。戦局の不安が高まるにつれてクリスチャンの胸には人間不信の念が広がり、彼は激戦の前線に身を投じた。一方アメリカにあるマーガレットには、ブロードウェイで歌う婚約者マイケル(ディーン・マーティン)がいた。平凡な歌手の彼。ある夜のパーティでマイケルは、徴兵検査所で知合ったユダヤ系の友人ノア(モンゴメリー・クリフト)を彼の女友達ホープ(ホープ・ラング)に紹介した。孤独なノアと清純なホープは愛しあって結婚した。やがてノアとマイケルは共に、戦局拡大につれて入隊した。ユダヤ人であるためにノアにむけられる軽蔑の目と迫害。徴兵を拒否するマイケルは、非戦闘員を願ってロンドンに移されたが、婦人部隊に入っているマーガレットと再会し、自己逃避の非を悟って独仏国境戦線に向かった。連合軍はラインをこえて前進した。戦場でマイケルはノアと合流した。目標は独軍の捕虜収容所だった。その頃、独軍側のクリスチャンは絶望して銃を手に戦野をさまよっていた。戦争の悲惨、非人間的な収容所生活の残虐、敗戦近いナチス官僚の腐敗。そこには人間の証明は何もなかった。銃をたたきつけた彼は無目的に走った。その時、ノアとマイケルの目がそれを見た。走るナチスの軍服。マイケルの銃が火をふき、クリスチャンは泥沼に射殺された。同じ年代のドイツ青年の死。戦場の片すみでの小さな事件。ノアの目にはじかし、この青年の死が何故かあわれだった。晩春の青い木の葉の道を、ノアとマイケルは更に前線へと歩を進めた。
「若き獅子たち」の解説
「ケイン号の叛乱」「愛情の花咲く樹」のエドワード・ドミトリク監督による、「地上より永遠に」「裸者と死者」にならぶアーウィン・ショウの戦争文学の映画化。米独両陣営にまたがって、第二次大戦中の青年の心理が平行して描写され、やがてこれが終局近い独仏国境戦線で悲劇的に接触する。脚色は「暗黒の恐怖」でアカデミー賞を得た「誇りと情熱」のエドワード・アンハルト。撮影監督は「夜を逃れて」のジョー・マクドナルド。音楽はヒューゴー・フリードホーファー。「サヨナラ」のマーロン・ブランドがナチ青年将校に扮し、「愛情の花咲く樹」のモンゴメリー・クリフトと、性格演技に転向を志す「ふんだりけったり」のディーン・マーティンがアメリカ兵となって主演。「青春物語」のホープ・ラング「心のともしび」のバーバラ・ラッシュ「戦争と平和」のマイ・ブリットの女優陣が共演する。助演はマクシミリアン・シェル、ドラ・ドール等。パリ、ババリア等の欧州ロケが行なわれた。製作アル・リクトマン。
公開日・キャスト、その他基本情報
配給 | 20世紀フォックス |
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制作国 | アメリカ(1957) |
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