レイズ・ザ・タイタニック 作品情報
れいずざたいたにっく
ワシントンにある海洋研究機関(NUMA)のサンデッカー長官(ジェイソン・ロバーズ)、大統領補佐官のシーグラム博士(デイヴィッド・セルビー)らが、1人の男から、ある事件の報告を受けていた。男はダーク・ピット(リチャード・ジョーダン)といい、元海軍大佐で現在は危険な任務を遂行しているフリーのエージェントだ。今回は、シーグラムの依頼で北極海に臨むソ連領のスワドロフ島を調査していて、行方不明のアメリカ人鉱物学者を救出したのだった。70年近く前の1912年、処女航海の途中沈没した豪華客船タイタニック号には、実は未来の世界戦略には不可欠といわれる鉱石ビザニウムが持ち込まれていたのだ。ロシア政府が雇った鉱夫が秘かにそれをアメリカに持ち帰ろうとして遭難にあったのだった。シーグラムは、巨大な戦略プロジェクト「シシリー計画」を立て、その沈んだビザニウムを手に入れるために、タイタニック号の引き揚げを大統領に進言した。4000メートルの深海から46000トンの巨船を浮上させることは至難の業だったが、それを極秘に実行に移していった。まず、ピットは、タイタニックの唯一の生き残りの老船員を探し出し、彼の口から、コロラド鉱山の生き残りの鉱夫が、あの幻の元素ビザニウムを持って地下室に閉じこもった事実を聞いた。タイタニック号が沈んだと思われる地点の測定に時間がかかっている頃、ソ連側が行動を開始し、やがて、ソ連大使館の情報将校ブレブロフ(ボー・ブランディン)の画策により、タイタニック号引き揚げ計画がマスコミに報道された。サンデッカーは騒然とするマスコミを前に、記者会見を行ない、これは単なる科学的日的だと巧みにかわした。一方、ピットの潜行艇は、遂に4000メートルの深海まで達し、悲劇の客船タイタニックの船体を発見した。そしてアメリカ人もロシア人も誰もが見守る中で、幾多の障害をこえてタイタニックが浮上した。目ざすは、ビザニウムを持って地下室にこもった鉱夫の遺体だ。だが、やっとの思いで探しあてた白骨死体と共に見つかったのは、期待を裏切るような石ころだった。そして、再調査を開始し、その鉱夫ブルースターの墓を探し出したダーク・ピットとサンデッカーは、その中から目ざすビザニウムを探し出した。しかし、世界の平和を考え、元の土の中におさめるのだった。
「レイズ・ザ・タイタニック」の解説
史上最大の海難事件で知られる沈没した豪華客船タイタニック号に世界の行方を決める巨大な謎が秘められていたということから、70年たった今、海底のタイタニック号を引き揚げるというサスペンス・タッチの海洋映画。製作総指揮はロード・グレイド、製作はマーティン・スターガーとウィリアム・フライ、監督は「エアポート'77 バミューダからの脱出」のジェリー・ジェームソン。クライブ・カスラーの原作(パシフィカ刊)を基にアダム・ケネディとエリック・ヒューズが脚色、撮影はマシュー・F・レオネッティ、音楽はジョン・バリー、編集はJ・テリー・ウィリアムスとロバート・F・シュグリュー、特殊効果はアレックス・ウェルドンが各々担当。出演はジェイソン・ロバーズ、リチャード・ジョーダン、デイヴィッド・セルビー、アン・アーチャー、アレック・ギネス、J・D・キャノン、ボー・ブランディンなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1980年12月6日 |
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配給 | 東宝東和 |
制作国 | アメリカ(1980) |
上映時間 | 115分 |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、3件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-06-13
この映画「レイズ・ザ・タイタニック」は、異色のスペクタクル映画の傑作だ。
人間というものは、常に”夢と冒険”を追い求める存在だと思う。
かつてのタイタニック号引き揚げのニュースなどは、そんな夢を追う人間の挑戦の一つでもあるのだ。
このタイタニック号と言えば、1912年4月14日、処女航海で氷山とぶつかり、北大西洋の底に沈んでしまった超豪華客船で、その存在自体がまことにドラマチックである上に、この船には様々な人々が乗り合わせていて、人の世の定めを思わせるところから、それまでにも数多くの小説や映画の素材になって来たのは、衆知の事実だ。
だが、沈んでいくタイタニック号を描いた映画は多くても、再び浮上する姿を描いた映画はなかったと思う。
人々の夢であるだけに、映像化が難しかったのだろうし、CGの発達していなかった当時としては、巨体が浮き上がる瞬間の撮影が出来なかったからだと思う。