P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2025-04-17
「赤い河」(1948)を皮切りに、「リオ・ブラボー」(1959)、「エル・ドラド」(1966)と、ジョン・ウェインとのコンビで西部劇等の傑作を次々と放った、巨匠ハワード・ホークス監督にとって、この「リオ・ロボ」は、盟友ジョン・ウェインとタッグを組んだ遺作。
確かに、ホークス&ウェイン・コンビ作の最高峰「リオ・ブラボー」とは比べるべくもない凡作かもしれないが、ハリウッド伝統の”王道的西部劇”の醍醐味を存分に味わえる、良質なエンターテインメント映画に仕上がっていると思う。
「リオ・ブラボー」と「エル・ドラド」に続く三部作の最終章とされるこの作品は、なるほど前二作と同じく、主人公たちが、保安官事務所に立て籠るという設定を用いている。
しかし、大きく違うのは、この作品の保安官ヘンドリクスが、悪者側だということだろう。
敵の親玉ケッチャムを人質に、保安官事務所を占拠したマクナリーらは、ボスを奪い返さんとする保安官一味を相手に、攻防戦を演じることになる。
その一方で、軽妙なユーモアとハードなアクションを織り交ぜた、ノリの良い群像活劇という路線は、往時ほどの切れがないとはいえ、前二作をそのまま踏襲しており、色々な意味で、安心して楽しめる作品に仕上がっていると思う。
当時、既に60代だったジョン・ウェインの動きが、やけに鈍くてアクション・シーンがキツイとか、その相棒コルドナ役に起用されたメキシコの若手トップ俳優のホルヘ・リヴェロに、ウェインと渡り合うほどのカリスマ性がないとか、敵の一味が、ヘナチョコ過ぎるとか、色々と粗を探せばキリのない作品ではある。
脇役陣で光っているのは、飲んだくれのクレイジーなフィリップス老人を嬉々として演じているジャック・イーラム。
「リオ・ブラボー」のウォルター・ブレナンに相当する役柄だが、西部劇の個性的な悪役俳優として鳴らした、ジャック・イーラムの芸達者ぶりが実に面白い。
「おもいでの夏」で私を虜にしたジェニファー・オニールも、鼻っ柱の強い女性シャスタを好演している。
ジョン・ウェインの盟友ロバート・ミッチャムの息子クリストファー・ミッチャムは、「チザム」(1970)や「100万ドルの決斗」(1971)でも共演しており、恐らくデュークは、映画界の後見人として後押ししていたのだろうが、残念ながら期待されたほどのスターにはなれませんでしたね。