勇気ある追跡 感想・レビュー 5件
ゆうきあるついせき
総合評価5点、「勇気ある追跡」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-06-14
ジョン・ウェインが画面に登場すると、彼の映画の中での過去の異常でダーティな体験が、そのまま彼の体全体からにじみ出ているような男を、勝気で向こう見ずな少女マティが助っ人として雇う映画の最初のシーンに我々観る者は映画的なワクワク感と共に、魅力的な映画の世界にスーッと引き込まれてしまいます。
まるで、”少女マティの紡ぎだす夢の世界のような、非現実的で、心躍る展開”になって来ます。
助っ人としてもう一人、テキサス・レンジャーの若者のカントリーミュージックのスターのグレン・キャンベルが演じるラ・ビーフの三人で、父親殺しの犯人のトムの追跡の旅に出るというスリリングな物語が展開していきます。
この映画の白眉はなんといっても、映画ファンの間で伝説的な名場面として語り草になっている、クライマックスの馬上のコグバーンが、口に手綱をくわえ、ライフルと拳銃で応戦しながら、悪党一味の中に突っ込んで行く場面ですが、しかし映画ファンの大向こうをうならせる、その死闘の場面だけではなく、そこに至るまでの三人の追跡の旅の過程も味わい深く、興味深いものがありました。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-06-14
彼は1964年頃から、癌と闘いながらタフでたくましい西部の男を演じ続けて来ましたが、今回の1969年の「勇気ある追跡」で初の汚れ役に挑戦して、それを見事に演じきり、今まで過少評価されていた演技力を広く認めさせる事になったと思います。
原作はチャールズ・ポーティスが1968年に発表して、米国で大ベストセラーになった「トゥルー・グリット」で、アメリカ現代文学史に残る名作として現在も長く読み継がれている小説です。
14歳の時、父親を悪党に殺された女性の一人称形式の小説で、成長した彼女の視点から振り返られた過去の物語という設定で、少女時代のキム・ダービー演じるマティに復讐の助っ人として雇われるのが、ジョン・ウェイン演じるルースター・コグバーン保安官で、彼は元南軍の無法ゲリラ部隊の一員で銀行強盗も働いた事もあるという、複雑な過去を持つ、クセのある人物像になっています。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-06-14
“西部劇の大スター、ジョン・ウェインがアカデミー主演男優賞を受賞した記念すべき映画「勇気ある追跡」”
この映画「勇気ある追跡」は、西部劇の大スター、ジョン・ウェインに初のアカデミー主演男優賞をもたらした記念すべき映画です。
「ネバダ・スミス」、「エルダー兄弟」などの娯楽映画のベテラン職人監督のヘンリー・ハサウェイがメガホンを撮ったこの映画は、ジョン・ウェインの数ある西部劇の出演作の中でも異色の西部劇といえると思います。
黒いアイパッチをつけ、粗野で大酒飲みの保安官というキャラクターで、珍しく汚れ役を演じています。
ジョン・ウェインは1959年の「リオ・ブラボー」(ハワード・ホークス監督)以降、それまでの精悍で立派なイメージに執着する事をやめて、実際の自分の実年齢と体型にふさわしい役柄を演じるようになっていたため、この映画のような汚れ役は初めてだと思います。