勇気ある追跡 作品情報
ゆうきあるついせき
1880年代のアーカンソン州。マティ(キム・ダービー)は両家の子女にも似ず、気の強い、だが、かわいい少女だった。そんな彼女の父親が、雇人のトムに殺された。マティはためらわず復讐を決意。といっても、1人では、とても無理。そこで雇ったのが大酒飲みで片目のコグバーン(ジョン・ウェイン)と、若くてハンサムなテキサス・レンジャーのラ・ボーフ(グレン・キャンベル)だ。3人は出発した。だが、個性の強い3人ゆえ、平和な道中ではない。特に男2人は反揆し合い、ののしり合う。だが、互いに相手が気骨ある男だということは、分かった。インディアン地区で、マティがトムに捕まえられた。助け出したのはラ・ボーフ。そこへ現れたコグバーン。馬に乗り、手綱をくわえ、拳銃を乱射しながら一味の中へ。だがラ・ボーフがトムに撃たれ、瀕死の重傷。その情景を見たマティが、トムに1発、2発と狙う。しかしながら慣れない銃の扱い。反動で、ガラガラ蛇のいる穴に落ちてしまった。コグバーンはトムを殺し、マティを助け出す。瀕死のラ・ボーフの手を借りて。だが、その直後、ラ・ボーフは息絶えた。コグバーンは、毒蛇にかまれたマティをかつぎ、医師のもとへ大疾走。何頭もの馬を乗りつぶし荒野をひた走る。やがてマティは回復し、命の恩人のコグバーンをみる。だが彼は相変わらずの大酒飲みでヤクザな男だ。それでもいいではないか。だって彼は、死んでしまったラ・ボーフとともに、マティのために、真実の勇気をみせてくれたのだから。
「勇気ある追跡」の解説
チャールズ・ポーティスの小説を「5枚のカード」のマーゲリット・ロバーツが脚色「サハリ!」のヘンリー・ハサウェイが監督した西部劇。撮影は「エルダー兄弟」のルシエン・バラード、音楽はエルマー・バーンスタイン、美術はウォルター・タイラーが担当した。出演はジョン・ウェイン、歌手のグレン・キャンベル、新星キム・ダービーほか。製作はハル・B・ウォリス。
公開日・キャスト、その他基本情報
配給 | パラマウント |
---|---|
制作国 | アメリカ(1969) |
上映時間 | 129分 |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、5件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-06-14
ジョン・ウェインが画面に登場すると、彼の映画の中での過去の異常でダーティな体験が、そのまま彼の体全体からにじみ出ているような男を、勝気で向こう見ずな少女マティが助っ人として雇う映画の最初のシーンに我々観る者は映画的なワクワク感と共に、魅力的な映画の世界にスーッと引き込まれてしまいます。
まるで、”少女マティの紡ぎだす夢の世界のような、非現実的で、心躍る展開”になって来ます。
助っ人としてもう一人、テキサス・レンジャーの若者のカントリーミュージックのスターのグレン・キャンベルが演じるラ・ビーフの三人で、父親殺しの犯人のトムの追跡の旅に出るというスリリングな物語が展開していきます。
この映画の白眉はなんといっても、映画ファンの間で伝説的な名場面として語り草になっている、クライマックスの馬上のコグバーンが、口に手綱をくわえ、ライフルと拳銃で応戦しながら、悪党一味の中に突っ込んで行く場面ですが、しかし映画ファンの大向こうをうならせる、その死闘の場面だけではなく、そこに至るまでの三人の追跡の旅の過程も味わい深く、興味深いものがありました。