屋根の上のバイオリン弾き 作品情報
やねのうえのばいおりんひき
アナテフカの牛乳屋テビエ(トポル)は貧しくも信仰深く、少々口やかましい妻ゴールデ(ノーマ・クレイン)、愛らしい5人の娘、ツァイテル(ロザリンド・ハリス)、ホーデル(ミシェル・マーシュ)、ハーバ(ニーバ・スモール)、シュプリンシェ(エレイン・エドワーズ)、ビルケ(キャンディス・ボンスタイン)の家族と暖かい家庭を築いていた。アナテフカはウクライナ地方の貧しい小村で、市場、肉屋、かじ屋、仕立屋、宿屋などが雑然と立ち並び、屋根の上にはバイオリ弾きが、危なげなバランスを保って楽しい曲を弾いている。このバイオリン弾きが象徴するように、村もテビエも激しい現実から伝統を守って必死に生きているのだ(Tradition=伝統の歌)。村じゅうが安息日の準備に忙しいある日、イェンテ婆さん(モリー・ピコン)が肉屋のラザール(ポール・マン)と長女ツァイテルの結婚話をもってきた。ゴールデは喜んだが、ツァイテルには仕立屋のモーテル(レナード・フレイ)という恋人がいた。ツァイテルはイェンテ婆さんの話をたくみにそらした(Matchmaker Matchmaker=仲人の歌)。テビエは仕事の帰り道、ふと金持だったらとも思った(If I Were a Rich Man= もし金持なら)。途中、キエフから来た貧しい、革命を夢見る学生パーチック(マイケル・グレイザー)と意気投合し、テビエはパーチックを招いて、家族に紹介し、安息日の祈りを捧げた(Sabbath Prayer= 安息日の祈り)。次の日、テビエは仕方なく、肉屋のラザールとツァイテルとの結婚を許すのだった。村の人たちは祝福し、ユダヤ人もロシア人も一緒になって乾杯した(To Life=人生に乾杯)。しかし翌日、思いあまったツァイテルは、テビエにモーテルとの恋を打ち明け、結局テビエはモーテルとの結婚を許してやるのだった(Miracle of Miracle= 奇蹟の中の奇蹟)。反対していたゴールデも、ようやくモーテルとの結婚を認めた(The Tailor Motel Kamzoik= 仕立て屋モーテル・カムゾイル)。やがて厳粛な結婚式がとり行われ、出席者は明日に希望を託す歌を合唱するのだった(Sunries Sunset=陽は昇り、陽は沈む)。しかしその楽しい結婚式も、突然入り込んできた警官隊にメチャメチャにされてしまった。三女のハーバはロシアの若者フヨードカ(レイモンド・ラヴロック)と恋に落ち、パーチックはホーデルに結婚を申し込んだ。怒るゴールデにテビエはホールデの気持を説明し、たしなめるのだった(Do You Love Me= 愛しているかい)。間もなく学生闘士パーチックは逮捕され、ホールデはパーチックを追ってシベリアに旅発った(Far From the Home I Love= 愛するわが家を離れて)。三女のハーバもフヨードカのもとへ走った。政情は悪化する一方で、ついにユダヤ人の強制退去命令が下った。村人たちは次々と村を離れていった(Anatevka= アナテフカ)。家財道具を積み込み、静かに村を離れていこうとするテビエに、バイオリン弾きがもの悲しい曲を奏でて後にしたがうのだった。
「屋根の上のバイオリン弾き」の解説
ブロードウェイの公演でロングラン記録を樹立したミュージカルの映画化。政情不安の嵐の中でも、娘たちは恋をし、各自が新しい人生に踏み出す。家長は貧しくも誇り高く、妻を愛し、娘たちを愛し、家を守る。製作・監督は「夜の大捜査線」のノーマン・ジュイソン、イーディッシュ文字の巨匠ショラム・アレイハムのベスト・セラー小説をジョセフ・スタインが脚色、撮影は「オリバー!」のオズワルド・モリス、美術はマイケル・ストリンジャー、音楽監督はジョン・ウィリアムズ、作曲はジェリー・ボック、作詞はシェルドン・ハーニック、管弦楽編曲はアレグザンダーコウレージ、音楽編集はリチャード・カラス、バイオリン演奏はアイザック・スターン、振付は「ウエスト・サイド物語」でアカデミー賞監督賞、振付により同賞の特別賞を受賞したジェローム・ロビンス、ロバート・ローレンスがそれぞれ担当。出演は、イスラエルの舞台とロンドン王立劇場でテビエ役を演じたトポル、「続・夜の大捜査線」のノーマ・クレイン、モリー・ピコン、レナード・フレイ、ロザリンド・ハリス、マイケル・グレイザー、ミシェル・マーシュ、ニーバ・スモール、レイモンド・ラヴロックなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1971年12月4日 |
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配給 | ユナイト |
制作国 | アメリカ(1971) |
上映時間 | 182分 |
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