魅惑の巴里 作品情報
みわくのぱり
アンジェロ・デュクロ夫人(タイナ・エルグ)は、名誉毀損による5万ポンド損害賠償の訴訟を起こした。かつて彼女はイギリス娘シブル(ケイ・ケンドール)とアメリカ娘ジョイ(ミッチー・ゲイナー)の3人でアメリカの舞踏家バリイ・ニコルズ(ジーン・ケリー)と組んで欧州を巡演していたが、やがてアンジェロはピエール(ジャック・ベルジュラック)とシブルはジェラルド・レン卿(レスリー・フィリップス)とそれぞれ結婚して一座は解散した。さて数年は無事にすぎたがシブル・レン夫人が自叙伝を発表しその中にアンジェロがバリイに失恋して、3人が一緒のアパートに住んでいた頃ガス自殺をしようとしたことがあると記したことから事態は紛糾したのである。公判の第1日、被告レン夫人は証言する。「自叙伝は真実です。アンジェロは一座に入った頃、今の夫であるピエールのいることを隠してバリイとデイトしていました。彼女は若くて未熟でしたから、バリイは特別に稽古をつけてやりました。そこで彼女はバリイに恋してしまったのです。ところがあるショウの夜、劇場嫌いのピエールが両親と見物にきているのを見た彼女は、びっくりして隠れてしまい、相手役のバリイに大恥をかかせました。彼は怒り、彼女は恋を失ったというわけです。私が遅くアパートに帰って、彼女の自殺未遂を発見したのはその夜でした。」傍聴席でこれを聞いていたピエールは、アンジェロの弁明も聞かず憤然として街に出ていってしまった。2日目、アンジェロの証言。「シブルの証言は嘘です。シブルはお酒のみで始末におえぬ女で、バリイも何度かクビにしようとした位でしたが、私たちは彼女がバリイを愛していたのを知っていましたのでかばってやりました。その頃彼女はジェラルド・レン卿につきまとわれていましたが、夜の酒場でこの3人が顔を合わせた時、シブルの酔った放言から男2人は大喧嘩をしました。バリイの心が自分にないのを知って彼女はますます深酒し、ある夜私が遅くアパートに帰った時、ガス自殺を図っていたのです。これが真相です。」今度はジェラルドが憤然とシブルの弁解も耳にせず夜の街に飛び出した。3日目、問題の人物バリイの証言。「2人の女性の証言は嘘ではありません。然し私は、シブルにもアンジェロにも実は関心を持ってはいませんでした。私は第3の女性ジョイを愛していたのです。しかし彼女は、清教徒的な愛は誓ってくれましたが、しんから私に心を開いてはくれません。一方2人の女性の恋人2氏は故郷にかえりたがっていました。そこでジョイの心を独占するためもあって私は仮病をつかって一座を解散しました。後でそれを知ったジョイは、怒って私から去っていきました。それから彼女にはまだ会いません。失望した私が遅く彼女たちの部屋に行くと、アンジェロとシブルがガス管のゆるみで中毒して倒れていました。病院に運ばれた2人は誤解し合ったまま別れたのです。」証言が終わると2組の夫婦は仲直りして法廷はなごやかに閉じられた。一同に別れてバリイがタクシーに乗り込むと、そこにはジョイの明るい笑顔が待っていた。
「魅惑の巴里」の解説
フランス語の冠詞を英語のガールズの上につけたスマートな感覚の原題からも想像出来るように、女ごころをミュージカル形式で粋に描いてみせた作品。監督は「ボワニー分岐点」のジョージ・キューカー。ヴェラ・キャスパリーの原作を「八月十五夜の茶屋」のジョン・パトリックが脚色、「悪人への貢物」のロバート・サーティースが撮影を監督した。音楽は「上流社会」のコール・ポーター。「嘆きのピエロ」のジーン・ケリー、「陽気のせいデス」のミッチー・ゲイナー、「古城の剣豪」のケイ・ケンドール、「哀愁物語」のタイナ・エルグが主演し、レスリー・フィリップス、ジャック・ベルジュラック等が助演する。
公開日・キャスト、その他基本情報
配給 | MGM |
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制作国 | アメリカ(1957) |
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