P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-08-28
🪬原題は幻想的航海で大きく見開かれた眼と船員の冒険譚の如きポスター或いは表紙絵も印象的。マイクロスコープでの体内探索,生化学的な人体旅行のMysteryは先のレビューの特殊効果の解説にも詳しいが,一際サスペンスフル何だなあ。そしてラクエル・ウェルチの美貌も魅力が在って
みくろのけっしけん
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🪬原題は幻想的航海で大きく見開かれた眼と船員の冒険譚の如きポスター或いは表紙絵も印象的。マイクロスコープでの体内探索,生化学的な人体旅行のMysteryは先のレビューの特殊効果の解説にも詳しいが,一際サスペンスフル何だなあ。そしてラクエル・ウェルチの美貌も魅力が在って
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
東西冷戦時代に、その両陣営で研究を競う、物質ミクロ化技術の秘密を握るチェコの科学者が、鉄のカーテンから亡命するが、途中で撃たれ、脳に重傷を負ってしまう。
そこで、西側陣営の軍部は治療のために情報部員や医師たちを、原子力潜水艇プロテウスに乗り込ませ、この潜航艇ごとミクロ化し、血管注射で科学者の体内へ送り込む。
この映画「ミクロの決死圏」の監督は、1950年代から1980年代までの長きに渡り、ディズニー製作の傑作SF「海底二万哩」、実験的な映像表現を試みた「絞殺魔」、戦争大作「トラ・トラ・トラ!」のアメリカ側監督、南部の人種差別を描いた問題作「マンディンゴ」など多種多様な作品を発表した、職人監督・リチャード・フライシャー。
この映画のミクロ化した人間が、人体に潜入し治療を行なうというアイディアは、わが日本の手塚治虫の漫画作品「吸血魔団」をベースにしていると思われるが、タイム・リミットを生かしたサスペンスやスパイとの攻防戦など、手に汗握る展開も見事だが、何より素晴らしいのは、L・B・アボットによる特殊効果だ。
「眼下の敵」での海上砲撃戦から、「タワーリング・インフェルノ」の高層ビル火災まで、ミニチュア模型や光学合成を駆使したL・B・アボットの特殊撮影は、現在の水準から見れば、ローテクニックではあるものの、その豊かなイマジネーションは普遍性があり、実に見事な出来栄えだ。 とにかく、一時間たつと縮小効果が薄れ、元のサイズに戻ってしまうという、緊迫したスリリングな状況の中、心臓を通過したりとか、異物排除のために白血球が襲い掛かかり、心拍の衝撃で潜水艇が大揺れしたりする、体内のスペクタクル・シークエンスは、ほとんど前衛的とも思える程の強烈な美術イメージに貫かれていて、見事としか言いようがない。 そして、クルーの一人が敵のスパイで妨害工作をするなどのエピソードも盛り込まれ、観ていて全く飽きさせない。 美術監督のデール・ヘネシーによる白血球や血管、巨大な模型で作られた心臓などのセットも実によく出来ていて、非常に印象的だ。
其の本リチャード・フライシャー監督作品名はグリーンウォッシュな画面の映画「ソイレント・グリーン」
更に知人の薦めでビデオ観賞した事の在る本篇も環境問題に呼応した何ともtimelyな近未来SF映画だった💚
🦁リチャード・フライシャー監督の「ドリトル先生の不思議な旅」も又動物の言葉が解ると言った点では,アドベンチャー映画の「シーナ」のヒロインとも共通するんだ…。念じて助っ人に馳せ参じる森の動物達は彼女の仲間,護衛団なのかもね🐒🤸
チャールズ&レイ・イームズのdesign展に短編映画「パワーズ・オブ・テン」が会場で上映されていた。男の見上げる宇宙への上空から体内迄のidea映像から本編の内容が想い出された。イームズのchairでの観賞でー
そして,本編に出演していたラクウエル・ウエルチが荒野でリベンジを果たすのが映画「女ガンマン,皆殺しのメロデイ」だった。悪漢トリオはアーネスト・ボーグナイン等でロバート・カルプを師にウエルチがガン捌きを教わるシーンも秀逸で魅せた💥
そして,本編撮影の名騎手のアーネスト・ラズロが撮った航空パニック映画「大空港」も又,スリリングな特殊な状況設定の前に空港長のバート・ランカスターやデーン・マーチン機長,乗務アテンダンドのジャックリーン・ビセット嬢等の人間模様がクッキリと描かれた名篇で在った。大雪に見舞われたairport情景や機内の群像も見事に捉えて居た!🛬
映画「タイタニック」のジェイムス・キャメロン監督のリメイクも予定されている海洋パニックならぬ、人体内の冒険アドベンチャーワールド、其のクライシスの連続にハラハラさせられる…。科学者のラクウエル・ウルチ嬢が一際チャーミング!
リドリー・スコット監督の映画「エイリアン」(シガニー・ウイバー主演)のデイレクター・カット版を見ていたら宇宙船内が胎内の様にも感じられて、実際に人の身体に潜入する本編のイメージがして来たんだ…。マクロの宇宙でのヒロインの熾烈な抗争とミクロ世界での決死な闘い、共にアイデアの佳さで魅せられるSF映画の力作だったー。
ラストで体内からの脱出劇が何ともサスペンスフルだった…。古狸庵先生こと作家の遠藤周作はユーモア掌編小説集の中で吉永小百合風の美女の体内に潜航したシャトルが腸内から如何に脱出出来るかと言う、SF本作のパロデイ版でも大いに笑わせて呉れる…。😅