マンハッタン無宿 感想・レビュー 1件

まんはったんむしゅく

総合評価5点、「マンハッタン無宿」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-10

この映画「マンハッタン無宿」は、クリント・イーストウッドとドン・シーゲル監督が初めてコンビを組み、後のダーティハリー・シリーズのきっかけとなった、記念すべき作品ですね。

この映画「マンハッタン無宿」は、アリゾナで人を殺しニューヨークで逮捕された男を引き取るため、生まれて初めて大都会ニューヨークを訪れたアリゾナの田舎の保安官補クーガン(クリント・イーストウッド)は、複雑な警察機構に業を煮やし、独断で病院へ乗り込み、LSD中毒で入院中の犯人を強引に連行してしまいます。

しかし、空港で犯人の仲間に襲われ彼を奪取されて、クーガンの怒りが爆発。
アリゾナの荒野を駆ける勢いそのままに足で、オートバイで、摩天楼の街を駆け巡り、遂に犯人を逮捕するのです。

このアリゾナの田舎の保安官補クーガンは、アリゾナでは腕利きだが、ニューヨークでは単なるおのぼりさんにすぎず、茶色のスーツを着て、テンガロン・ハットをかぶり、ブーツを履いた野暮なウエスタン・スタイルは、市民たちから好奇の目で見られます。

中には、露骨にからかう者もいて、彼らは口を揃えて「テキサスか?」と尋ねます。 すると、そのたびにクーガンはうんざりしたような顔で「アリゾナだ」と応えるという、このシーンには思わずニヤリとしてしまいます。 とにかく、このクーガン、からかわれても、馬鹿にされても、眉ひとつ動かさず、平然とアリゾナの荒野で犯人を追い詰めた時と同じやり方で、黙々と自分流の捜査を推し進めて行くのです。 そして、犯人を護送の途中、不覚にも逃げられたという屈辱に耐える事は、西部男の誇りが許さないのか、ニューヨーク市警の警部(リー・J・コッブ)に、「ここでは君はひとりの市民にすぎないのだ。さっさと、OK牧場へ帰れ」と、冷やかし半分の言葉を投げられても、彼は頑として受付けず、あくまでも、たったひとりで勝手知らないニューヨークの街を歩き回って、犯人の行方を追いかけるのです。 それは、警官としての職業意識とも言えるし、犯罪者への怒りとも言えるかも知れません。

最終更新日:2024-06-20 16:00:02

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