マンディンゴ 感想・レビュー 3件

まんでぃんご

総合評価4.67点、「マンディンゴ」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-21

とにかく、この映画はアメリカ史の恥部と言われる、黒人奴隷たちの受難の様をショッキングな映像と共に描いていくわけですが、彼ら黒人たちは、もちろん人間として扱われることはなく、ローマの剣闘士さながらの闘う奴隷であり、性的な玩具であり、農作機械であり、果ては主人の足の神経痛治療のための人間アンカであったりしたのです。
残酷な見世物的なシーンの連続で、アメリカ南部の黒人奴隷制度の悪を告発するというより、残酷が興味本位に流れ過ぎているという感がなきにしもあらずですが、これは考えてみると、映画というものの、自己の犯した悪さえも、一種の見世物にしてしまうという、商業主義的なたくましさのなせるワザなのかも知れません。
そして、この事は製作者がアメリカ人ではなく、イタリア出身の大プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティスであった、という事と関係しているのかも知れません。
マンディンゴという”良質”な黒人奴隷種で、賭け闘技の戦士になる若者を、元ボクシング、ヘビー級チャンピオンのケン・ノートンが演じていますが、彼の屈強な肉体が、奴隷たちの”不屈の魂”といったものの存在感を見せているのだと思います。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-21

“アメリカ南部の奴隷制度に潜む、階級社会と人間、その文化的な歪みを描いた問題作「マンディンゴ」”

このリチャード・フライシャー監督の「マンディンゴ」は、アメリカ最大のタブーである、アメリカ南部の奴隷制度の闇へ切り込んだ、衝撃の問題作だ。

“もうひとつの風と共に去りぬ”と、公開当時の宣伝文句で言われていたように、あの映画史に燦然と輝く、不朽の名作「風と共に去りぬ」の裏側に隠された、アメリカ最大のタブーである、アメリカ南部の奴隷制度の実態を暴いた作品だ。

1808年の奴隷輸入禁止令により、黒人奴隷を牧場で飼育して、売買し始めたアメリカ南部。
その中の、ある一家を舞台にして斜陽化する白人と、権利に目覚める黒人階級の葛藤、人種を超えた男と女の愛や憎しみなどを、これでもか、これでもかという刺激的な場面の連続の中に描き出していくのです。

P.N.「ミスチーフ・ジョーンズ」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2021-05-09

公開時に低評価と聞いていたんだけど。百聞は一見に如かず。マイケル・チミノの「天国の門」と同じく、不遇の歴史告発映画だった。
ただ無理もないんだけど、主人公は、映画の中の白人では、(悲しいことに)一番人間味のある人物だが、今の映画なら、悪人として描かれるタイプなので、腑に落ちない物はある。
タランティーノの「ジャンゴ 繋がれざる者」が良かった人なら、お勧め。

最終更新日:2024-05-31 16:00:01

広告を非表示にするには