ブレージングサドル 作品情報
ぶれーじんぐさどる
バート(クリーボン・リトル)は逞ましい黒人奴隷の鉄道作業員だった。何かとトラブルを起こしては苦境をさまよい、今度もあやうく縛り首になるところだったが、リッジ・ロックの保安官になれば見逃してやろうということで九死に一生を得た。しかし、リッジ・ロックという町は、法律も秩序もない町で、その町の保安官になること自体、生命を捨てたも同じことだった。リッジ・ロックを支配しているのは知事のリプトマン(メル・ブルックス)で、彼が腹心のヘドリー・マラー(ハーベイ・コーマン)に命じてバートを保安官にさせたのだ。リプトマンの狙いは、無力な黒人保安官バートがますます町を不穏な状態に陥れ、その不穏におびえた住民たちが自ら土地を捨てて町を出ていくことにあった。そしてその土地を鉄道会社に売って儲けようと企んでいたのだ。一刻も早く町を混乱状態に陥れるために、リプトマンは秘かにタガート(スリム・ピケンズ)という無法者の首領を雇い、兇悪な一味を町に乱入させようとした。一方、バートはしょっちゅう監獄に出入りするジム(ジーン・ワイルダー)は仲よしになった。ジムはかつてはウェイコ・キッドと呼ばれていた二挺拳銃の名手だが、今は大酒呑みの呑んだくれとして町中の笑い者になっている男だ。そんな2人は意気投合して、タガートの一味と対決することになった。タガートの一味は、兇暴なモンゴ(アレックス・カラス)を始めいずれ劣らぬ悪漢揃い。その中にはドイツ生まれの妖艶な歌姫リリー・フォン・シュタップ(マデリーン・カーン)も加わっていた。リリーはその官能的な肉体でバートを誘惑しようとするのだが、もとよりそれに惑わされるようなバートではなかった。やがて町の人々もそんなバートに信頼を寄せるようになり、2人に協力してタガート一味と戦うことになった。ここに、珍無類の追いつ追われつの一大珍戦が展開する。派手なパイ投げ合戦があるかと思えば、どういうわけかターザンやチータ、踊り子のラインダンス、果てはアドルフ・ヒトラーまで賑々しく登場。ついに悪漢一味は総くずれとなりバートたちは勝利を収め、その責任を果たした。無法の町リッジ・ロックに平和が甦った。バートとジムは仲よく馬に乗って町を出た。その2人を待っていたのは何と1台の黒塗りの自動車。2人は馬から自動車に乗りかえると、夕陽の彼方に去っていった。
「ブレージングサドル」の解説
町をのっとろうとした悪党一味と対決する正義の保安官の活躍を描いたずっこけパロディ西部劇。製作はマイケル・ハーツバーグ、監督は「ヤング・フランケンシュタイン」のメル・ブルックス、脚本はメル・ブルックス、ノーマン・スタインバーグ、アンドリュー・バーグマン、リチャード・プライヤー、アラン・ユーガーの共同、原案はアンドリュー・バーグマン、撮影はジョセフ・バイロック、音楽はジョン・モリス、編集はジョン・C・ハワードとダンフォード・B・グリーンが各々担当。出演はクリーボン・リトル、ジーン・ワイルダー、スリム・ピケンズ、デイヴィッド・ハドルストン、ライアム・ダン、アレックス・カラス、ジョン・ヒラーマン、ジョージ・ファース、クロード・E・スターレット Jr.、メル・ブルックス、ハーベイ・コーマン、マデリン・カーンなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1976年2月28日 |
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配給 | ワーナー・ブラザース映画 |
制作国 | アメリカ(1974) |
上映時間 | 93分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、2件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-07-13
アメリカ人の底抜けの陽気さを一人で背負って立っていたかのような、かつてのメル・ブルックス監督の、この映画「ブレージングサドル」は、理屈もヘチマないドタバタ喜劇の爆笑ウエスタンですね。
とにかく、メル・ブルックスの監督作品には、随所に楽屋落ちの駄洒落が出てくるが、笑いのめして、いけしゃあしゃあと幕を下ろす賑やかさは、むしろ爽快と言ってもいいくらいだ。
自分も楽しむかわりに、他人も楽しませるという自信が、この作品にも満ち溢れているんですね。
舞台は、法も秩序もない西部のある町。
腹黒い知事(メル・ブルックス)は、縛り首寸前の黒人奴隷バート(クリーボン・リトル)を、保安官になれば見逃してやるという条件で、この町に送りこむのだった。