ブルーベルベット 作品情報

ぶるーべるべっと

ノース・キャロライナ州ランバートン。製材が主産業の絵に描いたようにのどかな町だ。大学生のジェフリー(カイル・マクラクラン)は父の急病のため帰郷し、病院に見舞いに行った帰り、野原で人間の片耳を発見。警察でウィリアムズ刑事(ジョージ・ディッカーソン)に渡す。夜、刑事宅を尋ねたジェフリーは、同家の娘サンディ(ローラ・ダーン)から、「この耳の事件はディープ・リヴァー荘に住む歌手がかかわっているらしい」と聞かされる。翌日、彼は歌手ドロシー(イザベラ・ロッセリーニ)の部屋に消毒と称して入り込み、鍵を盗み出す。彼はサンディとスロー・クラブに行き、ドロシーが官能的に歌う「ブルー・ベルベット」を聞く。その後、ドロシーの部屋に忍びこんだジェフリーは、彼女が戻ってきたのでクロゼットに隠れて覗き見する。フランク(デニス・ホッパー)が来て、卑猥な言葉をわめき、酸素吸入器を使い、青いベルベットを咥えつつドロシーを犯す。どうやらフランクは彼女の息子と夫を人質にとっているらしい。ジェフリーはフランクを尾行し黄色い服の男(フレッド・ピックラー)と接触するところを目撃。翌日、ドロシー宅を訪れたジェフリーは彼女と煽情的な愛を交わす。だが、フランクに見つかり、子分たち(ブラッド・ドゥリフ、ジャック・ナンス)にこずかれながら、おかまのベン(ディーン・ストックウェル)の店へ。彼は麻薬密売人で彼女の息子はここに監禁されていた。ジェフリーはさんざん殴られてしまう。翌日、ジェフリーは警察に行き、黄色の服の男はゴードンという刑事と知り驚く。サンディとパーティに行って帰宅すると、全裸のドロシーが待っていて、その姿を見たサンディはショックと嫉妬で半狂乱となる。ドロシーの部屋に行ったジェフリーは耳のない男とゴードンの死体を発見。フランクが現われるが、ジェフリーが射殺する。ランバートンに再び平和がもどってきた。

「ブルーベルベット」の解説

のどかな町を舞台にした殺人、脅迫、倒錯の物語。監督・脚本のデイヴィッド・リンチが10年以上あたためてきた企画という。製作はフレッド・カルーン、エグゼクティヴ・プロデューサーはリチャード・ロス。撮影はフレデリック・エルムス、音楽はアンジェロ・バダラメンティが担当。出演はリンチの前作「砂の惑星」(84)でデビューしたカイル・マクラクラン、イザベラ・ロッセリーニほか。63年のヒット曲「ブルー・ベルベット」がフューチャーされている。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1987年5月2日
配給 松竹冨士
制作国 アメリカ(1986)
上映時間 121分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-02-20

人体の中で一番奇怪な形状をしているのは耳だと思う。
この「ブルーベルベット」は、耳の迷宮に吸い込まれ、そこから、はい出ていくかのような仕組みになっているところが面白い。

話が強引すぎるとか、デニス・ホッパーのハサミのシャカシャカが少なすぎるとか、音楽がくどすぎるとか、いろいろ不満はあるのだが、それでも私はこの映画が好きだ。

何と言っても、イザベラ・ロッセリーニの醜悪スレスレに崩れた肉体が発散する濃密なデカダンスと、「幸せすぎて、あたし、コワイ」的な冒頭のシーンに酔わされた。

最終更新日:2024-05-07 13:55:20

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