ブラック・ライダー(1972) 作品情報
ぶらっくらいだー
南北戦争が終わって間もなく、アメリカに新しい時代の夜明けが近づいている。しかし北軍の勝利によって奴隷制度は廃止されたものの、偏見は根づよく残り、南部を逃れて西部に渡る幌馬車の黒人たちの心を暗くしていた。そんな彼らの心の支えになったのは、黒人ガイドの元北軍騎兵隊軍曹バック(シドニー・ポワチエ)だった。黒人の移住者を目の仇にする白人は多く、中でもディシェイ(キャメロン・ミッチェル)に率いられる無法者たちの行動は目にあまった。今夜も、ルイジアナからきた幌馬車隊のテントが襲われ、リーダーが射殺された。そして、久しぶりに我が家に向かうバックを先回りして、彼の家でバックの帰りを待ちうけた。編み物をする妻ルース(ルビー・ディー)の表情がなぜかかたい。「逃げろ!」銃をかまえて飛び出すと、バックは妻に呼びかけた。銃弾の雨をかいくぐり、敵をけん制しながら、バックは追手をまいた。翌朝、疲れ果てたバックは砂漠の中で人影を見た。そっと忍びよると、自分の馬とひきかえに彼の馬を盗む。その男、ミシシッピーのルサフォード牧師(ハリー・ベラフォンテ)は、あっという間に遠ざかっていくバックの後ろ姿を見ながら地団駄を踏んだ。数日後、彼はディシェイ一味に追われているという幌馬車隊に同行していた。同じ頃、ルサフォードはやっとの思いで近くの町にたどりついた。彼がひいている馬を見た一味は、ルサフォードに、バックの居所を教えれば500ドルやるという話を持ちかけた。なまぐさ牧師のルサフォードにとって、こんなうまい話はまたとない。そのチャンスは意外に早くきた。フラリとまぎれこんだ幌馬車隊にバックがいたのだ。バックは、インディアン領の通行税を払うために隊を離れた。その後を追うルサフォード。やがて2人は奇妙な友情で結ばれる。その2人が隊に帰ると、悲しい知らせが待っていた。ディシェイ一味の襲撃で何人かが殺され、血と汗の結晶である1400ドルが盗まれのだ。2人は一味を追い、町の酒場まで追いつめた。バックの散弾銃が、ディシェイを壁にたたきつけた。金を取り返したものの500ドルそこそこしか残っていなかった。そして今度は2人が追われる番だった。距離はどんどん縮まったが、その時前方にインディアンが現われ、彼らのために退路を開くと、追手の前に立ちふさがった。しかしインディアンの力は借りられない。彼はルースを幌馬車隊に連絡に行かせると、ルサフォードと敵を迎えうったが多勢に無勢、傷ついたバックとルサフォードに最後の時が迫った。と、遠回しに見ていたインディアンたちが2人を援護した。ルースにひき連れられた黒人たちもかけつけ一味は逃走した。何日か後、幌馬車隊は目的地につきバック、ルース、ルサフォードは自由を求めて旅立った。
「ブラック・ライダー(1972)」の解説
南北戦争直後のテキサスを舞台に、自由の天地を求めてやってきた黒人移住者が、白人の偏見や暴力と戦いながら目的を達するまでの物語。製作はジョエル・グリックマン、監督はこれが第1回作品となるシドニー・ポワチエ、アーネスト・キノイとドレイク・ウォーカーの原案をアーネスト・キノイが脚本化した。撮影はアレックス・フィリップス・ジュニア、音楽はベニー・カーター、編集はペンブローク・J・へリングが各々担当。出演はシドニー・ポワチエ、ハリー・ベラフォンテ、ルビー・ディー、キャメロン・ミッチェル、デニー・ミラーなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1972年6月28日 |
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配給 | コロムビア映画 |
制作国 | アメリカ(1972) |
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