P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-07-10
ワククワする面白さ、サスペンスに満ちた、スリル満点の映画。ロマン・ポランスキー監督の演出はさすがにうまい。
手前にシャワーを浴びている夫。ガラスの向こうで何か言っている妻。だが聞こえない。その妻がスッと消える。夫、ガラス、妻に見事に焦点が合っていて、縦の芝居が鮮烈なサスペンス効果を生んでいる。
また、屋根の先端へ落ちたモノを、何とか取ろうと、手を差し伸べる謎の女、その女を助けるハリソン・フォード。この場面でも、縦の構図がピタリと決まっているから、スリルが倍加し、ワクワクする興奮が盛り上がる。
そして、そうした部分、部分の効果だけではなく、この映画では、縦の構図の奥に、パリの街が常に存在してドラマを語っている。なまじっかな論理を捨てて、映像の魅惑で、たっぷりと楽しませてくれるミステリ映画だ。