ヒッチコックのファミリー・プロット 作品情報
ひっちこっくのふぁみりーぷろっと
アメリカのある大都市の高級住宅地。ジュリア・レインバード(キャスリーン・ネスビット)という金持の老嬢の邸に、降霊術師ブランチ・タイラー(バーバラ・ハリス)が呼ばれた。ジュリア・レインバードは、40年前、彼女の妹のハリエットが生んだ父なし子の男児を、見知らぬ他人のもとへやってしまった。だが、ハリエットが死に、血のつながった身内が、この甥1人になってしまった現在、何とかしてこの甥を探し出し、自分の財産を譲ってやりたいと思い、ブランチに甥を見つけ出してほしい、と依頼したのだった。レインバート邸を辞したブランチをタクシーが待ちうけていた。その運転手ジョージ・ラムレイ(ブルース・ダーン)は、ブランチの情夫であり、しかも、彼女の霊のお告げというのは、すべてジョージが探偵もどきにかき集めた情報で、ブランチはその情報を神がかり的演技で言っているにすぎないのであった。2人を乗せた車が、危うく若い女を轢きかけた。この女、フラン(カレン・ブラック)は、警察のパイロット養成所に入り、1粒のダイヤモンドを受け取ると、警察に準備させたヘリコプターに乗って、とあるゴルフ場に着陸させた。ここで彼女を待っていたのはアーサー・アダムソン(ウィリアム・ディヴェイン)で、ダイヤが本物であることを確認すると、車で逃亡した。この2人、実は億万長者を誘拐し、その身代金としてダイヤを受け取ったのだった。市内の隠れ家に戻って来た2人は、ダイヤをクリスタルのシャンデリアの中に隠した。一方、ジョージは、ジュリア・レインバードの甥を養子にしたという夫婦の消息を追って、バーロー・クリークという田舎町にやって来た。だが夫婦子供とも既に死んでおり、確かに墓まで建てられていた。しかし、息子--リチャードの墓石が新しいことに気づいたジョージは、墓石屋からジョージの墓の下には何も埋まっていないことを聞き出し、さらに役場にリチャードの死亡証明書を申請したマロニー(エド・ローター)といううらぶれたガソリン・スタンドの経営者に目をつけた。そのマロニーが、色々と嗅ぎまわっているジョージのことを報告した相手は、表向きは宝石店を経営しているアダムソンだった。その頃、ジョージとブランチは子供に洗礼を授けた牧師に会うべく教会に行った。ところが、突然飛び出したフランとアダムソンが、大勢の信者の目前で牧師を誘拐してしまった。そしてアダムソンは、マロニーにブチンチとジョージを殺すように命令した。マロニーは2人を郊外のドライブインへ誘い、隙を見て車のブレーキに細工を加えた。急な山道でブレーキのきかない車に乗って危機一髪の目にあったブランチとジョージだったが、車ごと崖から墜落したのはマロニー自身だった。ついにブランチは遺産相続人がアダムソンであることを調べ、彼の家を訪ねた。アダムソンはそこで初めて、ブランチとジョージが自分を捜し求めていた理由が、自分にとって不利な事どころか大金がころがり込んでくる話であるのを知ったのだが、丁度、車に積んでいた牧師をブランチに見られてしまい、やむなく彼女を捕まえて監禁した。一方、ジョージもブランチの伝言によってアダムソンの家を訪ね、戻らないブランチを不審に思って家に忍び込んだ。そして、ブランチを助け出すとともに、人質の牧師と交換してダイヤを受け取り、意気揚々として戻ってきたフランとアダムソンを掴まえたのだった。
「ヒッチコックのファミリー・プロット」の解説
監督生活50年を迎えるアルフレッド・ヒッチコック監督の53作目の作品で、手数料目当てに資産家の遺産相続人を捜す若い男女と、ダイヤモンドを狙う誘拐犯の男女、の2組が織りなすサスペンス映画。監督は「フレンジー」のアルフレッド・ヒッチコック、脚本はアーネスト・リーマン、原作はビクター・カニング、撮影はレナード・J・サウス、美術はヘンリー・バムステッド、音楽はジョン・ウィリアムス(2)、衣裳デザインはイーディス・ヘッド、編集はJ・テリー・ウィリアムスがそれぞれ担当。出演はカレン・ブラック、ブルース・ダーン、バーバラ・ハリス、ウィリアム・ディベイン、エド・ローター、キャスリーン・ネスビット、キャサリン・ヘルモンドなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1976年8月28日 |
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配給 | ユニヴァーサル=CIC |
制作国 | アメリカ(1976) |
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ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-11-10
この映画「ファミリー・プロット」は、スリラーの神様アルフレッド・ヒッチコック監督の最後の映画だ。
夜の道路を横切って行く黒衣の女を、車があやうく轢きそうになった途端に、カメラは車の中から出て、黒衣の女の後を追い始める。
こうして、突然まったく別のストーリーに移行していく導入部のうまさ。
インチキ霊媒師に扮するバーバラ・ハリスの、いかにもヒッチコック好みの、いたずらっぽくて、タフな女っぷりが楽しめる映画だ。