翼に賭ける命 作品情報

つばさにかけるいのち

1932年の事である。新聞記者のバーク(ロック・ハドソン)は、ニューオルリンズで開かれている曲芸飛行競技会についての記事を書くため、現地に赴いた。そこで彼はロジャー(ロバート・スタック)に出会った。ロジャーは、第一次大戦で空の英雄と崇拝されていたが、今は飛行塔の周りをすれすれに飛び廻る飛行競技で僅かな賞金を貰って不安定な生活を送っているパイロットである。競技を明日に控え、休息の部屋を借りることも出来ないロジャーらに同情したバークは自分の部屋を彼らに提供した。その夜、バークはロジャーの妻ラバーン(ドロシー・マローン)から興味ある話を聞いた。ラバーンは貧しい農家に生まれたが、当時英雄と讃えられたロジャーに惹かれ家出し、整備員のジッグス(ジャック・カーソン)と3人で同棲するようになった。彼女はジッグスの愛情に気を引かれながらも、妊娠した時、ダイスを振って、自分かジッグスのどちらが彼女と結婚するかを決めるような非人間的なロジャーに盲従しているというのだ。バークはこの虚無的、動物的な醜い人間の生態に記事としての面白さを見出し、編集長に報告した。が、編集長はそれを過小評価した。バークは頑として自分の記事を主張したのでクビにされてしまった。レースは始まった。ロジャーの中古機は農具製造業者マットの機と衝突して墜落した。明日のレースに夢中のロジャーは、もう1つのカードの飛行機に目をつけた。オードがラバーンにみだらな目を注いでいるのを見たロジャーは、彼女の肉体と交換してでも彼のボロ機を手に入れるように命じた。この事を知ったバークは、ラバーンの窮境を救うためオードに彼の記事を大きく扱うことを交換条件に飛行機を獲得した。機を入手したロジャーは、ラバーンがオードの命に従ったと思いこみ、身の恥ずかしさを知りラバーンへの愛情を初めて告白した。だが、レースの途中故障が起こり、修理不能とみたロジャーは見物人を傷つけまいとして湖中へ飛びこんだ。人生に希望を失ったラバーンはヤケになりオードの許へ走った。だが、バークの愛は失意のラバーンを立直らせるのに成功した。新聞社でもバークを復職させた。シカゴ行きの飛行機にラバーンと息子のジャックを乗せたバークは、2人の間に新しい生活が始まることを約束させた。

「翼に賭ける命」の解説

現代アメリカ文学の代表的作家ウィリアム・フォークナーの小説「パイロン」(飛行標塔)の映画化で、曲芸飛行に命を賭ける男を中心に、人間の愛情と運命を描いた文芸篇。「風と共に散る」のジョージ・ザッカーマンが脚色、「間奏曲」のダグラス・サークが監督した。撮影監督は「東京特ダネ部隊」のアーヴィング・グラスバーグ、音楽は作曲が「間奏曲」のフランク・スキナー、指揮が「悪魔に支払え!」のジョセフ・カーシェンスン。主演は「大空の凱歌」のロック・ハドソン、「硝煙」のロバート・スタック、「千の顔を持つ男」のドロシー・マローン。「脱獄囚」のジャック・カーソン、「友情ある説得」のロバート・ミドルトンが助演する。

公開日・キャスト、その他基本情報

配給 ユニヴァーサル
制作国 アメリカ(1957)

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最終更新日:2022-07-26 11:04:03

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