弾丸を噛め 作品情報
だんがんをかめ
1908年の西部。デンバー・ポスト新聞の主催による過酷なレースが始まろうとしていた。それは、人間と馬による、踏破距離700マイル、賞金2 000ドル、馬を乗りかえることは出来ず、行く手には山あり谷あり砂漠ありという定められたコースを6日半で踏破する死のレースだった。馬を乗りつぶしたり事故にあったりしたら生きては帰れない。出場者8人が各地から集まった。カウボーイのサム・クレイトン(ジーン・ハックマン)、皮肉屋の賞金稼ぎルーク・マシューズ(ジェームズ・コバーン)、ミスターと呼ばれるカウボーイ(ベン・ジョンソン)、名声に憧れる若者カーボ(ジャン・マイケル・ヴィンセント)、乗馬を愛する英国紳士ノーフォーク卿(イアン・バネン)、メキシコ人(マリオ・アルテアガ)、馬術家リー・クリスティー(ロバート・ホイ)、いずれもひとくせもふたくせもありそうな男ばかりのなかの紅一点、ミス・ジョーンズ(キャンディス・バーゲン)も参加していた。8人の冒険者たちは毎晩定められたチェック・ポイントに立ちより、獣医によって厳しい馬の検査を受けなければならない。このレースはアメリカ中で注目され、何百万ドルという賭金が動いた。最初のペース・メーカーは向こうみずな若者カーボだった。出発後間もなくメキシコ人が歯痛のために脱落しそうになったがサムとミス・ジョーンズによって弾丸を歯冠がわりにかぶせられ、再びレースに戻ることが出来た。幾日目かの夜、河を渡ろうとした老カウボーイ、ミスターは馬と共に急流に飲まれ、やっとのことで這い上がったが、心身ともに衰弱しサムにみとられながら、あえない最後をとげた。それは危険な旅の第1の犠牲者だった。翌日には、8時間もかかるという砂漠を横断しなければならなかった。この最大の難関での脱落者は、馬を酷使しすぎたカーボだった。さらにノーフォーク卿の馬は足の骨を折り、自ら愛馬を銃殺しなければならなかった。残るは5人だけだった。だが最後のチェック・ポイントを通過した後、事件が起こった。定められたコースで数人の囚人たちが作業しており、その監督官にミス・ジョーンズが拳銃をつきつけたのだ。それはとらわれの愛人を脱獄させるためにレースに参加した彼女の予定の行動だったのだ。そのために、後からきた4人の馬は奪われ、メキシコ人が殺された。馬を取り戻すために、サムとルークは、このレースの監視者のオートバイを借りうけ囚人たちのあとを追った。カーボの手助けもあり、激しい銃撃戦の末馬は無事助けられ、レースは再び開始された。ゴールまであと数十メートルに迫ったが、人馬共に疲れ果てていた。ゴール前に張られたテープは、サムとルークが同時に切りおとし、長い死のレースは終わった。(コロムビア映画配給2時間7分)
「弾丸を噛め」の解説
人と馬による命を賭した踏破距離700マイルの死のレースに参加した8人の男女の冒険を描く。題名の「弾丸を噛め」とは、アメリカ開拓時代、負傷した男が麻薬のかわりに弾丸を噛んで手術の苦しみに耐えたという故事に起因し、“苦しみに耐えてやりぬけ”という意味に使われる。製作・監督・脚本はリチャード・ブルックス、撮影はハリー・ストラドリング・ジュニア、音楽はアレックス・ノース、編集はジョージ・グレンヴィルが各々担当。出演はジーン・ハックマン、キャンディス・バーゲン、ジェームズ・コバーン、ベン・ジョンソン、イアン・バネン、ジャン・マイケル・ヴィンセント、マリオ・アルテアガ、ロバート・ドンナー、ロバート・ホイなど。日本語版監修は野中重雄。テクニカラー、パナビジョン。1975年作品。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1975年10月4日 |
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配給 | コロムビア映画 |
制作国 | アメリカ(1975) |
上映時間 | 131分 |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、2件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-05-21
リチャード・ブルックス監督の「弾丸を噛め」は、ジーン・ハックマン、ジェームズ・コバーン、キャンディス・バーゲンと、なかなか賑やかな顔ぶれのウエスタン・アドベンチャーだ。
カリフォルニア方面からコロラド方面に向かってのレースの話で、時は1908年、主催がデンバーの新聞社だから、当時の時点での西部への懐古趣味を盛った企画だったと想像される。
イギリスからイアン・バネンが参加するなど、国際的な顔ぶれの8人が、それぞれ自慢の馬に乗って、約1週間のレースを続ける。
そして、その間の数々の冒険と出場者たちの人間関係が描かれていく。
コースに沿って鉄道が走っているらしく、主催者は列車におさまって競争の進行状況をチェックし、落伍者は収容する。
だから、人里離れた救出不可能な荒野での冒険という切迫感がわかない。