P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2023-11-27
この映画「大脱獄」は、ジョセフ・L・マンキウィッツ監督にしては珍しい、西部劇刑務所映画という娯楽篇というのが、映画ファンとしては食欲をそそられますね。
開巻、主要人物たちが刑務所へ入るまでのいきさつが、挿話的に紹介されていくが、カーク・ダグラスのがめつい強盗が、実に精彩を放っている。
わざわざ眼鏡をかけたりして、紳士気取りなのが面白い。
若いマイケル・ブロジェットが、はずみで恋人の父を殺してしまう描写も印象的だ。
ヘンリー・フォンダの保安官が、拳銃を持たずに酔っ払いの無法者に近づいて撃たれてしまうのは、西部実伝のパロディとして笑わせる。
刑務所に集まったのが、一筋縄ではいかない連中ばかりで、腕は立たなくても悪知恵が働く奴もいるので、「一人の悪党がいた---」という原題が意味する一人は誰なのかが、パズル的な興味を繋いでいくが、所長になって赴任してきたヘンリー・フォンダとカーク・ダクラスの腹の探り合いも見どころになっている。