前線命令 作品情報
ぜんせんめいれい
1944年、ドイツ軍の形勢は日増しに不利になっていった。その頃、ドイツ軍の中から精鋭をすぐって、奇妙な猛訓練が極秘裡に行われていた。この訓練所では、将校も兵隊もすべてアメリカ人の名で呼ばれ、英語以外の言葉を話すことは禁じられていた。これは敗戦を目前にしてドイツ軍が、連合軍の後方を撹乱して戦局を挽回しようとする、最後のあがきだった。その頃。ドイツ軍のアメリカ捕虜収容所で脱走事件が起こり、脱走者が大量に殺された。その中の1人リジソン軍曹(ヴァン・ジョンソン)は、数日後、例の訓練所に姿を現した。彼はドイツ軍の名将の息子で、捕虜の動静を探るために収容所に潜伏していたのだ。リジソンの次の任務は、英語の達者なナチ党員ヴィリッツと共に、アメリカ軍陣地内に潜伏することだった。武器補給所や橋の破壊、アメリカ兵の殺傷と、事故が続出したが、乱戦中のことで彼等のことを疑う者は誰もいなかった。ある時、リジソンはかつて捕虜収容所で一緒だった兵隊に出会ったが、この時も正体はばれなかった。丘の上の拠点をめぐる激戦がつづいた。多くのドイツ兵が捕虜になった。リジソンは身分をあかして、彼等に逃亡をすすめた。が、彼等はアメリカ軍の捕虜のままでいたいといった。次の戦闘の時、後方からアメリカ軍に手榴弾を投げようとして、リジソンは遂に特殊工作員であることが見破られ、逮捕された。ナチとは対照的で、アメリカ軍の人間的な取り扱いに、彼はナチに対して疑惑の念をもつようになった。ドイツ軍が反撃して来た。戦局は逆転した。しかし、投降するアメリカ兵をナチは機銃掃射を容赦なく浴びせた。これをみたリジソンは、遂に祖国に反抗する決意をした。戦死したアメリカ兵の手から銃を奪いとり、単身ドイツ軍に向って、引金を引いた。彼は重傷にも屈せず、声をかぎりにナチの命令をきくなと、ドイツ兵たちに向かって絶叫した。
「前線命令」の解説
ベルギー戦線で連合軍を戦慄させたドイツ軍の特殊工作員の活躍を描いた戦争映画。ルー・モーハイムがオリジナル・シナリオを書き下ろし、アーサー・ドレイファスが監督、撮影はテッド・スケイフ、音楽はユーゴー・ド・グルート。出演は「レッド・リバー」のヴァン・ジョンソン、「シンバッド 七回目の航海」のカーウィン・マシューズ、「カウボーイ」のディック・ヨーク、他にラリー・ストーチ、リズ・ボウルダン、レオン・アスキンら。製作サム・カッツマン、ロバート・ブーン。
公開日・キャスト、その他基本情報
配給 | 松竹セレクト |
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制作国 | アメリカ(1959) |
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