P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-05-17
1980年代の”殺人鬼”の代名詞ともなった、ホラー・キャスター、ジェイソンが大暴れする、スプラッタ・ホラーの代表的なシリーズ「13日の金曜日」の記念すべき第一作。
とはいえ、実はジェイソンは、シリーズの全作に出ているわけではなく、この第一作の殺人鬼はジェイソンではない。
このシリーズの基本設定は、1958年の6月13日の金曜日に、クリスタル・レイク・キャンプ場で殺人事件が起こり、13日の金曜日に不吉なことが起こるとされる、このキャンプ地で、毎回、殺人が繰り広げられていくというものだ。
最初は人間だったはずのジェイソンも、続編の度に雷や少女の願いなどによって、何度も蘇る不死身のモンスターと化していくんですね。
1958年6月13日。ニュージャージー州ブレアーズタウンに近いキャンプ場、クリスタル・レイク・キャンプ場で若者が次々と無残に殺される事件が発生する。
昔、若い男女が惨殺されて以来、呪われた場所として、忌み嫌われているこの土地で、10数年ぶりに夏のキャンプが再開される。 だが、準備のために集まって来た若者たちは、その日、13日の金曜日に、次々と姿なき何者かに惨殺されていく。 一夜のうちに一人、また一人、殺されていき、気が付くと主人公だけになっていた—-という設定なんですね。 無感動に、人間が殺戮されていく有り様は、殺される者に対する憐みや哀しみといったものが一切なく、一種のショー的な要素すら感じられるんですね。 また、後にこの作品が、シリーズとして続いていくと想定されてはいなかった作りになっている。 何せホラーではなく、ジェイソンも出ていなくて、生きている人間が次々と殺されていくだけですので、残酷描写はありますが、この作品はサスペンス映画になっています。 今でこそ、ホッケーマスクを被った、無敵の殺人鬼ジェイソンが大暴れしますが、この作品では、ラストまでその姿を見せません。 そして、この作品の殺人鬼は、もちろんジェイソンではありません。 13日の金曜日に起こった殺人劇ということで、なるほどそれでタイトルが「13日の金曜日」かとオープニングで変に感心しました。 もちろん13という数字は、アメリカでは不吉な数字で、日本で言う4と言う数字と同じ意味合いですね。 なぜ金曜日が不吉な日なのかというと、恐らく、”最後の晩餐”が金曜日というところからきているのでしょう。 前半は、ただ人が残酷な殺され方で死んでいくだけで、ストーリーも何もなかったんですが、後半になって、犯人の素性が割れてからは、面白かったですね。 それにしても、素性を見せた途端、犯人が非力になってしまいましたけど。 そして、映画ファンなら忘れてはならないのが、この作品にデビューしたての、今では悪役も主役もこなす、性格俳優のケヴィン・ベーコンが出演してるんですね。 ただ、前半で退場しちゃいましたけど。 人気シリーズの一作目なのに、この作品はラジー賞のワースト作品賞、ワースト主演女優賞にノミネートされていました。 受賞はしませんでしたが、知らなかっただけに意外に思いましたね。