上海から来た女(1947) 感想・レビュー 3件
しゃんはいからきたおんな
総合評価4.33点、「上海から来た女(1947)」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-05-21
謎の女エルザ(リタ・ヘイワース)に恋してしまったマイク(オーソン・ウェルズ)。
全ての愛憎を絡めて、映画のクライマックスは遊園地のビックリハウスへと収束していきます。
四周が鏡の部屋。ウェルズとヘイワースと、そして彼女の夫。
三人の姿が、幾重にも重なり合って写ります。人間の愛憎の果てしなさを象徴するかのように——。
やがて誰かが誰かを撃ちます。
崩れる鏡と共に、三人の重なりあった像も崩れ落ちます。崩れ去った愛の象徴——。
ミラーフォーカスという映画史に残る素晴らしい映像技法。
この技法をマネしたのが、あのブルース・リー主演の「燃えよドラゴン」でのラストの鏡張りの部屋のシーン。
鏡とは、人を写すだけではなく、”人生そのもの”を写し続ける存在なのかも知れません。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-05-21
“ミラーフォーカスという映像技法を駆使して、鬼才オーソン・ウェルズが人間の愛憎劇を描いたフィルム・ノワールの佳作「上海から来た女」”
このオーソン・ウェルズ監督の「上海から来た女」は鏡というものを、映像として効果的に使った映画の古典とも言えるフィルム・ノワールの掘り出し物的な作品です。
資産家バニスターの美しい妻エルザが暴漢に襲われそうになったところを、偶然、救ったマイクは、ヨット航海で夫婦と同行する事になります。
航海中にエルザと親密な仲になったマイクは、彼女と駆け落ちをする資金を作るために、夫婦の弁護士に持ちかけられた奇妙な殺人事件に巻き込まれる事になりますが——。
この映画は、ニューヨークの闇夜、サンフランシスコのチャイナタウン、そして、映画史上あまりにも有名な鏡張りの部屋での撃ち合いのシーンなど、いかにも鬼才オーソン・ウェルズらしい意匠に富んだサスペンス・スリラーを堪能出来るのです。