シェーン 作品情報
しぇーん
頃は1890年。初夏。ワイオミングの高原に1人の旅人(アラン・ラッド)が漂然とやってきた。男は移住民の1人ジョー・スターレット(ヴァン・ヘフリン)の家で水をもらい、家族の好意で1晩泊めてもらうことになった。男は名をシェーンと名乗った。妻マリアン(ジーン・アーサー)、1人息子ジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)と3人暮らしのジョーは、かねて利害の反する牧畜業者ライカーに悩まされていたので、冬まででも働いてくれないかとシェーンに頼んだ。シェーンは、何か心に決めたことがあるらしく、町の酒場でライカーの手下から喧嘩を売られたときも、相手にならなかった。図に乗ったライカー一味は、シェーンが再び酒場に現れたとき、また彼に絡み、今度は彼も応えて乱闘が始まり、シェーンはジョーの応援を得て群がる相手を叩き伏せ、酒場を引き揚げた。怒ったライカーはシャイアンから人殺しの商売のウィルスンという男を呼び寄せ、移住民の1人、短気なトリーがウィルスンのピストルの最初の犠牲となった。ライカーに農場の明け渡しを要求され、農民一同のために命を捨てる決心をしたジョーは単身敵の酒場に乗り込もうとしたがシェーンがそれを止め、肯ぜぬジョーを殴って気を失わせて、マリアンに別れを告げた。馬に跨って敵地に歩みを進めるシェーンの後ろ姿をジョーイ少年が追った。酒場で、さすがのウィルスンも一瞬早いシェーンのピストルに斃れた。殆ど同時に3発目の弾がライカーを倒していた。酒場を出ようとするシェーンの後を狙ったライカーの弟も一瞬のうちに命を失った。酒場の表に立つジョーイに、立派な男になれ、といって、シェーンは馬にのって去って行った。その後ろ姿に呼びかけるジョーイの叫び声が、ワイオミングの荒野にこだまして――。
「シェーン」の解説
「生きるためのもの」のジョージ・スティーヴンスが製作監督に当たった心境的西部劇で1953年の発売。ジャック・シェーファーの小説から「果てしなき蒼空」の原作者A・B・ガスリー・ジュニアが脚色し、「腰抜けモロッコ騒動」のジャック・シャーが台辞を追加した。テクニカラー色彩の撮影はロイヤル・グリグス、音楽は「戦う雷鳥師団」のヴィクター・ヤングの担当である。主演は「砂漠部隊」のアラン・ラッド、「西部を駈ける恋」のジーン・アーサー、「三銃士(1948)」のヴァン・ヘフリンで、子役のブランドン・デ・ワイルド、「突然の恐怖」のジャック・パランス、「三人の名付け親」のベン・ジョンソン、「アリゾナの勇者」のエドガー・ブキャナン、エミール・メイヤー「暗黒の恐怖」、エライシャ・クック・ジュニア「犯罪王ディリンジャ」、ダグラス・スペンサー「インディアン征路」、ジョン・ディアクス「マクベス(1948)」、エレン・コービー「恐怖の一夜(1950)」などが共演している。2016年4月9日よりデジタルリマスター版を全国順次上映(配給:東北新社)。
ジョージ・スティーヴンス監督の1953年に公開された西部劇をデジタルリマスター化し上映。南北戦争後のワイオミングに現れた、流れ者の男シェーン。開拓者ジョーたち一家との交流を深める中、横暴な牧場主ライカーとの諍いから事件が起きる。
公開日・キャスト、その他基本情報
配給 | パラマウント映画 |
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制作国 | アメリカ(1953) |
上映時間 | 118分 |
公式サイト | http://www.shane-movie.jp/ |
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予告編動画
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、3件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-11-09
「シェーン、カムバック!」------谷間にこだまする少年の声が、いつまでも私の耳に残ります。
ふらりと現われた流れ者のシェーンが、善良な開拓者たちを苦しめる悪漢どもをやっつけて、またいずこへともなく去ってゆく------という典型的な西部劇です。
だが、この作品は、西部劇というジャンルを超えた感動を私に与えてくれるのです。その謎をとく鍵は少年ジョーイ。
少年の目を通して描いたことにより、シェーンという男は、シンボリックなヒーローとなり、西部劇という枠を超えさせたのだと思います。加えて、ワイオミングの美しい自然が豊かな抒情性となって、私の心を潤してゆくのです。
少年の視線で物語を追っている中で、シェーンと少年の母との秘められた慕情が、そこはかとなく描かれていて、その切ない淡さも、実にいいんですね。
この不朽の名作「シェーン」は、時代を超えて生き残る、まさに感動の一篇だと思います。