P.N.「グスタフ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2019-09-16
両親から引き裂かれた戦争孤児を扱った物語で大戦直後の時代を証明する、ジンネマン監督の祖国ドイツの悲惨な姿を記録映画のように描いたリアリズム映画。大人たちの善意の行動が理解されず、怯え慄く子供たちの実態が哀れでなりません。ジンネマン監督の表現者としての正義感と焦燥感が交差して感じられる、実質的な処女作と言っていいと思います。堅実で生真面目な映画監督でした。また初々しいモンゴメリー・クリフトが観られます。
同時に作品の印象に、ヒューマニズムをプロパガンダする戦後アメリカ映画の匂いがするのも事実です。