猿の惑星 征服 作品情報

さるのわくせいせいふく

1990年、ここはアメリカ・メガロポリス。生活は厳しく統制され、高度にコンピューター化されている。20年ほど前、人間に殺されたコーネリアとジーラの子シーザー(ロディ・マクドウォール)は成人し、アーマンド(リカルド・モンタルバン)に可愛がられていた。なかば警察国家を形成している、このメガロポリスの支配者たちは、猿を奴隷化して、重労働を押しつけていた。人間に愛されて育ったシーザーは、アーマンドに初めて町に連れていかれ、猿たちがいじめられているところを目撃し、思わず大声をだしてしまった。アーマンドはシーザーを逃し、警察に出頭した。この事件はブレック知事(ドン・マレイ)と警察署長コルプ(セバーン・ダーデン)の耳に入り、2人にカマをかけられた彼は、ついに20年前、人語を話す猿の子を処刑の手から救ったことを白状させられた。彼は窓ガラスを破って逃げようとして命をおとした。シーザーは、アーマンドの死を知ると直ちに立ち上がり、復讐を計画する。折しも猿たちの不満はつのるばかりだった。手始めとしてシーザーはブレック邸の奴隷として時期の到来を秘かに待っていたが、彼が人語を話すチンパンジーの子ではないかと疑いを持たれるようになった。シーザーは捕らえられ電気刑に処せられたが、猿に理解を示すマクドナルド補佐官(ハリー・ローズ)に救われ、猿軍を組織し戦闘態勢に入った。やがてシーザーの指揮する猿軍は、あらゆる通信網を断ち切り、ブレック知事の本拠を急襲して彼を血祭りにあげた。戦端は開かれ、陣頭に立ったシーザーは部下を率いて都心に突入し、市民軍と対峙した。そして勝利は猿軍に輝いた。

「猿の惑星 征服」の解説

「猿の惑星」シリーズ第4作目。製作アーサー・P・ジェイコブス、監督はJ・リー・トンプソン、脚本はポール・デーン。撮影はブルース・サーティーズ、音楽はトム・スコット、メークアップはジョン・チェンバースが各々担当。出演はロディ・マクドウォール、ドン・マレイ、リカルド・モンタルバン、ハリー・ローズ、ナタリー・トランディなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1972年7月22日
配給 フォックス
制作国 アメリカ(1972)
上映時間 87分

ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-01-26

「猿の惑星・征服」は、1990年のアメリカが舞台。

人間たちが猿を奴隷のように扱い、成人し改名したシーザーが、反乱を起こすというもの。
1965年に実際に起きた黒人暴動を、猿に置き換えて描いている。

1970年代初頭の公民権運動の高まりの中、黒人の差別問題を映画にすることはタブーだった。
だが、SFである「猿の惑星」なら、黒人を猿に置き換えて見せることが出来る。

人間の奴隷にされたシーザーが、怒りを爆発させて革命を起こすこの映画は、アメリカの黒人の観客のカタルシスを得たのだ。

監督のJ・リー・トンプソンは、リアリティーにこだわり、後半は暴力と血にまみれた映像となる。
そのため、シリーズ中で一番ダークな作品になっていて、製作費があれば、もっと面白い映画になったかも知れないと思える映画だ。

脚本家ポール・デーンの、暴力が世の中を変えることは出来ない、権力がシフトしても、復讐の連鎖で暴力は終わりがないのだという主張が、一番反映された作品だと思う。

最終更新日:2024-04-30 18:13:00

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