殺意の週末 作品情報
さついのしゅうまつ
秘書のダニー(サマンサ・エッガー)は、ボスのマイケル・コールドウェル(オリバー・リード)から商用のジュネーブ行が急に繰り上がったので、書類のタイプを今夜のうちに彼の家に来て仕上げるよう頼まれた。翌日、徹夜で仕上げた書類を渡し、妻アニタ(ステファーヌ・オードラン)と娘を同行したマイケルを空港に見送ったダニーは、マイケルの純白のマーキュリー・コンバーティブルを運転して帰ろうとした。途中、パリ市内に向かっているつもりが勘違いし、リヨンへの道を進んでいることに気がついた。が、せめてささやかなバカンスでもと思ったダニーは、そのまま車を南へと走らせた。とある町で、ダニーは見知らぬ女に呼びとめられた。昨日、忘れていったコートを預かっているのだという。そんなバカなと、気にせずに進むとガソリン・スタンドが目に入った。ダニーはトイレに入った。突然何者かに頭を殴打され、気を失ったダニーは息を吹き返したが、右手首がはれあがっていた。スタンドの主人に手当てを頼むと、彼は、さっきからあなたは包帯を巻いていたじゃないかと疑わしそうに眉をひそめた。泊まったホテルでダニーは、妙に馴れなれしい男フィリップ(ジョン・マッケナリー)につきまとわれた。不思議な事件の連続に鬱然とした心を紛らすには手頃と思ったダニーの楽しみも、翌日、フィリップが車を盗んで逃げ去ったことで裏切られた。パリ祭で賑わうニースにやってきたダニーは、海岸近くに乗り捨てられた車を発見したが、男の姿はなく、トランクの中には昨日までなかった見知らぬ男の死体が転がっていた。再び姿を現わしたフィリップと死体を闇に葬ろうとしたとき、死体のポケットに、死体の男モーリス・コープに宛てたダニーの署名入り手紙が出てきた。フィリップは一瞬顔色を変え、やっぱり君の犯行だろうとなじるや、姿を消してしまった。その後アリバイ証明の努力も空しく、ダニーの頭はますます混乱していった。最後に手がかりとして死体の男モーリス・コープの邸宅に入ったダニーは驚いた。撮られた覚えのない彼女のヌード写真や、アパートにおいてあるはずの部屋着、コートを発見したのだ。おびえたダニーはマイケルに電話した。出たのはアニタで、ダニーが。今モーリス・コープの家にいることを告げると、慌ててそこを立ち退くように言って切ってしまった。自分の物を全部持って車に戻ったダニーは、あの夜マイケルから受け取った給料袋がそっくりコートにあるのを見つけた。しかし手もとにあるバッグには、ちゃんと給料は入っている。ダニーは、謎を解く糸口を見出した気がした。意を決してモーリスの家に戻ったダニーの前へ、マイケルが銃を持って現われた。彼は、妻のアニタが浮気相手のモーリスと口論したあげく殺してしまい、そのあと始末に、ダニーを犯人に仕立て上げようと工作したことを話した。引き金に手をかけたマイケルに、ダニーは言った。すでに捜査の手はまわっていると。ダニーが帰らぬときは、捜査が開始される手はずになっていたのである。マイケルは身体からすーっと力が抜けるのを感じた。
「殺意の週末」の解説
南フランスのぬけるような青い空の下、巧みに仕組まれた罠が、生き物のようにしなって、若い女に襲いかかるスリラー・サスペンス。製作総指揮はレイモンド・ダノン、製作・監督はアナトール・リトヴァク、脚本はリチャード・ハリスとエレノア・ペリー、原作はセバスチャン・ジャプリゾ、撮影はクロード・ルノワール、音楽はミシェル・ルグランがそれぞれ担当。出演は「コレクター」「ドリトル先生不思議な旅」のサマンサ・エッガー、「恋する女たち」のオリヴァー・リード、ステファーヌ・オードラン、ジョン・マッケナリー、ベルナール・フレッソンなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1971年10月16日 |
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配給 | コロンビア |
制作国 | アメリカ(1971) |
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