コレクター(1965) 感想・レビュー 2件

これくたー

総合評価5点、「コレクター(1965)」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2025-04-20

主人公のテレンス・スタンプ扮するフレディは収集家。蝶を収集していた彼は、次に人間を収集しようとする。
生きた人間を、それも美しい女を。でも奴隷のようではいけないのです。奴隷では人形にすぎません。
彼は人間の心、愛を収集しようとしたのです。
フレディは蝶の美しさには魅せられますが、ピカソの絵の美しさは理解できません。
彼がさらってきた画学生のミランダに、蝶のコレクションを得意げに見せた時、彼女は「確かに美しいわ。しかし、みんな死んでいる」と言います。
この言葉は二人の間の大きな断層をも語っているのです。
彼は地下室の暗い壁の中に、愛する女を閉じ込めました。
そして蝶をピンで留めるように彼女の心もピンで留めようとします。
しかし、体をピンで留めることはできても、心までピンで留めることはできません。
結局、ミランダの愛を収集することに失敗したフレディ。
彼の愛のコレクションの情熱が、次の目標に向かっていることを映して、静かに映画は終るのです。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-12

ウィリアム・ワイラー監督の「コレクター」は、サスペンスに満ちた、男と女のドラマだ。

蝶のコレクションと同じように、女を閉じ込める男の心理が、映画を観ている我々には想像がつくが、女にはそれがわからない。

彼女が逃げようとする時、我々の心理は、男の側に立つのではないだろうか。
閉じ込めることが、彼の最終的な目的なのだから、その維持が映画の緊張になるのだ。

とにかく、この映画は、優れて独創的な作品なのだ。

女の勧めで画集を見たり、小説を読んだ男が、ひどく道徳的なことを言って反論するのが、すこぶる面白いのだ。

最終更新日:2025-04-23 16:00:01

広告を非表示にするには