P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2025-04-20
主人公のテレンス・スタンプ扮するフレディは収集家。蝶を収集していた彼は、次に人間を収集しようとする。
生きた人間を、それも美しい女を。でも奴隷のようではいけないのです。奴隷では人形にすぎません。
彼は人間の心、愛を収集しようとしたのです。
フレディは蝶の美しさには魅せられますが、ピカソの絵の美しさは理解できません。
彼がさらってきた画学生のミランダに、蝶のコレクションを得意げに見せた時、彼女は「確かに美しいわ。しかし、みんな死んでいる」と言います。
この言葉は二人の間の大きな断層をも語っているのです。
彼は地下室の暗い壁の中に、愛する女を閉じ込めました。
そして蝶をピンで留めるように彼女の心もピンで留めようとします。
しかし、体をピンで留めることはできても、心までピンで留めることはできません。
結局、ミランダの愛を収集することに失敗したフレディ。
彼の愛のコレクションの情熱が、次の目標に向かっていることを映して、静かに映画は終るのです。