グッドモーニング・ベトナム 作品情報

ぐっどもーにんぐべとなむ

1965年、北爆を開始した米軍は一層深い“ベトナム戦争”の泥沼にふみ込んでしまった。米軍将兵たちのなかにこの目的なき戦いに対しての厭戦気分が蔓延し始めていた。彼らの士気を高めようと、テイラー将軍(ノーブル・ウィリンガム)は、本国から米軍放送の人気ディスクジョッキー、エイドリアン・クロンナウアー(ロビン・ウィリアムズ)を呼び寄せた。酷暑のサイゴン空港に降り立ったクロンナウアーは武器を持たず、いたってラフな格好であった。軍服も敬礼さえも好きでないというこの一等兵DJに、迎えに来たガーリック一等兵(フォレスト・ウィテカー)はびっくりさせられた。更に驚いたことに、サイゴンの街に出るや通りがかりのベトナムの美少女トリン(チンタラ・スカパタナ)を追いかけ始めた。しかし何よりも驚いたのは「グッドモーニング・ベトナム!」の叫び声で始まる放送であった。従来の、軍の検閲をパスした気抜けしたニュースとパーシー・フェイスやマントバーニといった、ただ甘いだけの音楽とは打って変わり、ギンギンのロックンロールと機関銃のようなしゃべりでニクソンまでもまな板に乗せてしまった。軍の上層部は動転したが100万のベトナム米軍は絶大な拍手をもって彼を迎えた。直属の上司であるディカーソン軍曹(J・T・ウォルシュ)とホーク少尉(ブルーノウ・カービー)には睨まれ通し。そんななかでも、ガーリックを連れてトリンを追いかけ、彼女の通う英語学校で妙な英語を教えて人気者になり、いつしかトリンの兄ツアン(トゥング・タン・トラン)と親しくなった。ベトコンのテロ事件は軍のチェックで放送禁止であったが、ある日目の前で起こった爆弾テロ事件をしゃべってしまった。軍規によって彼は降ろされた。後を継いだホーク少尉のDJは最低。津波のような投書が寄せられ、前線に向かう兵士たちの激励を聞き、再びマイクに向かった彼を許せぬディカーソンは彼とガーリックをベトコン地区に派遣して、2人を殺させようとしたが、ツアンの努力で無事帰還した。が、軍情報部が、ツアンはベトコンの活動家であることをキャッチ。戦争という障害が2人の間にそびえ立った。ベトコンと友達だったということで本国へ送還される日、英語学校のベトナム人たちとお別れの野球をやった。彼らの笑顔とトリンの涙を胸にクロンナウアーはサイゴンを去って行った。

「グッドモーニング・ベトナム」の解説

武器を持たない米軍放送のディスクジョッキーの目を通して描かれた“もう1つのべトナム戦争”。製作はマーク・ジョンソン、ラリー・ブレズナー、監督は「ヤング・シャーロック ピラミッドの謎」のバリー・レヴィンソン、脚本はミッチ・マーコウィッツ、撮影はピーター・ソーヴァ、音楽はアレックス・ノースが担当。出演は「ガープの世界」のロビン・ウィリアムズ、「プラトーン」のフォレスト・ウィテカー、トゥング・タン・トラン、チンタラ・スカパタナほか。字幕監修に小堺一機、関根勤。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1988年10月8日
配給 ワーナー・ブラザース映画
制作国 アメリカ(1987)
上映時間 123分

ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-07-13

この映画は、ベトナム戦線の兵士に聞かせるラジオのディスクジョッキーのお話ですね。
とにかく、この映画は面白い、たまらなく面白いですね。

米軍の放送だから、検閲も厳しい。その間を縫って、新米のディスクジョッキーは、まあハチャメチャな語りで、兵士たちの心を捉えてしまう。

急激な人気の高まりで、米軍の首脳部は、彼を首にすることも出来ない。
いっそ危険きわまりない最前線へ放り出せば抹殺できると、彼を取材の名目で送り出すのだが----------。

鉄砲玉のように飛び出すブラックジョーク。米軍の検閲制度を徹底的にからかいながら、それでいて若き兵士たちに注ぐ、愛おしみの眼差しは、実に温かい。

激戦地で死んでいくであろう、幼さの残る兵士たち。
主人公の「グッドモーニング・ベトナム!!」という呼びかけの何と優しいことか。

最終更新日:2024-07-23 16:00:02

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