クリスティーン 作品情報
くりすてぃーん
1957年、デトロイト。プリマスの自動車工場で真っ赤なプリマスが完成されようとしていた。工員がエンジンをチェックしようとした時、ボンネットがひとりでに降りて、工員の腕を激しく打った。そして車のシートに煙草の灰を落とした別の工員は、死体で発見された。1978年、カリフォルニア。ロックブリッジ高校の自動車整備教室で、内気なアー二ー(キース・ゴードン)がバディ、ムーチー、ヴァンデンバーグら不良学生にからまれる。アーニーの唯一の友人デニス(ジョン・ストックウェル)が割って入り、殴り合いとなり、結局、バディは退学処分に。帰宅途中、アーニーは野ざらしにされているおんぼろプリマス・フューリーを目撃、一目惚れしてしまう。デニスが止めるのも聞かず、アーニーは気味の悪い持ち主ルベーから250ドルも出してフューリーを買う。ルべーは車を彼女と呼び、名前はクリスティーンだという。アーニーの両親は、クリスティーンを買ったことに大反対した。アーニーは、ドゥー・イッツ・ユアセルフのダーネル・ガレージにクリスティーンを持って行く。学校一の美人と評判のリー(アレクサンドラ・ポール)とアーニーが、新品同様に甦ったクリスティーンから降りたのを目撃して呆然とするデニス。たまたまそれがフットボールの試合中だったので、デニスはタックルされて負傷し入院する破目に。雨のドライヴ・イン・シアターで、アーニーとリーが抱き合っていた。アーニーが車から出ると、ダッシュ・ボードが緑色に光り、リーが息をつまらせて苦しむ。やっとのことで救出されたリーは、あの車を捨ててというが、アーニーが聞くはずもない。バディらがダーネル・ガレージに忍び込みクリスティーンをめちゃくちゃに破壊する。翌日、これを見て呆然とするアーニー。やがて、クリスティーンは自ら復讐を始めた。深夜、道路を歩いていたムーチーがクリスティーンにひき殺され、ガンリン・スタンドで働いていたヴァンデンバーグも、バディもやられてしまう。ガレージの主人ダーネルも殺された。ジャンキンス警部(ハリー・ディーン・スタントン)が、アーニーを尋問するが、アーニーにはアリバイがあるし、第一、クリスティーンには傷一つないので、追求のしようがない。年が明けて退院したデニスのもとヘリーが尋ねて来て、アーニーのことについて話し合った。ガレージでクリスティーンと対決することにしたデニスはパワーシャベルでクリスティーンをつぶそうとするが、クリスティーンはなかなかやられない。事務室にいるリーを狙ってクリスティーンが激突。ウィンドシールドをぶち破って、アーニーの身体がとび出す。やっとのことでクリスティーンを押しつぶすことに成功。翌日、機械で圧縮されて箱状になったクリスティーン。その箱が息でもするかのように動く。
「クリスティーン」の解説
58年型プリマスが人間を襲うという超自然ホラー。製作はリチャード・コブリッツ。エグゼクティヴ・プロデューサーはカービー・マコーレーとマーク・ターロフ、共同製作はラリー・フランコ。監督は「遊星からの物体X」のジョン・カーペンター。スティーブン・キングの同名小説(新潮社)をビル・フィリップスが脚色。撮影はドナルド・M・モーガン、音楽はジョン・カーペンター、音楽協力はアラン・ハワース、特殊効果はロイ・アーボギャストが担当。出演はキース・ゴードン、アレクサンドラ・ポール、ジョン・ストックウェル、ハリー・ディーン・スタントンなど。ドルビー・ステレオ。日本版字幕は菊池浩司。パナビジョンで撮影。メトロカラー、シネスコサイズ。1983年作品。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1984年5月12日 |
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配給 | コロムビア映画 |
制作国 | アメリカ ポーランド(1983) |
上映時間 | 110分 |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-11-21
無生物に悪霊が宿って害をなすという映画は、これまでにも沢山あった。
それは家(「たたり」)であったり、船(「ゴースト 血のシャワー」)であったり、ピアノ(「残酷の沼」)であったりする。
悪霊は取り憑く相手を選ばない。
この作品同様、車を主人公にしたものには、題名もズバリ「ザ・カー」という映画が既にあった。
いわば使い古された題材なのだが、この映画に登場する車の悪霊的な性格が、とても魅力的なので、観ていて退屈しない。
その車とは、赤いグラマラスなボディが官能的な1958年型プリマス。
この車の名前が、クリスティーンなのだ
車体に傷を付けられ、美貌をそこなわれるや、時には火達磨になりながらも、車に悪戯した相手を追い詰め殺すのだ。
その徹底ぶりが、とても爽快なのだ。