P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-11-09
イギリス時代にスリラーで名をなしたアルフレッド・ヒッチコック監督が、渡米後、「レベッカ」に続いて発表した作品が、この映画「海外特派員」だ。
舞台は、第二次世界大戦直前のヨーロッパ。
オランダの大物政治家の暗殺を目撃したために、政治的陰謀に巻き込まれてしまう、アメリカの特派員の冒険を、スリリングなタッチで描いている。
風向きと反対に動く風車、暗殺シーン、雨傘の波を縫って犯人が逃げるシーン、コクピットにカメラを据えっぱなしで捉えた、飛行機が墜落するシーンなど、まさに必見の見せ場がこれでもかというように連発される。
二転三転のドンデン返しに満ちた物語の展開で、観る者を飽きさせないヒッチコック監督の手腕は、見事の一語につきる。
主演の話を蹴ったゲイリー・クーパーが、完成した映画を観て、地団駄を踏んだ話は有名だ。