オレゴン魂 作品情報

おれごんだましい

アーカンソー州西部地区保安官代理ルースター・コグバーン(ジョン・ウェイン)は、派手に人殺しをやりすぎるために、パーカー判事(ジョン・マッキンタイア)にバッジを取りあげられてしまった。ところがある日、悪名高いホーク(リチャード・ジョーダン)をボスとする一味が、荷馬車一杯のニトログリセリンを運搬していた騎兵隊を皆殺しにする、という事件が勃発した。一味の中にはルースターのかつての友人のブリード(アンソニー・ザーブ)も入っているという。そこでパーカー判事は、ルースターに、ホーク一味の生捕りを、賞金2000ドルと終身保安官の地位を与えることを条件に、申し出た。翌日、ルースターは、ホーク一味追撃の旅に出かけた。フォート・ルビーという町に着いたルースターは、一足先にホーク一味がこの町で暴れまわり、教会の牧師のほか多数のインディアンを殺したことを知った。そして、牧師の娘で、婚期をはるかに過ぎたユーラ(キャサリン・ヘップバーン)とインディアンの少年ウルフが彼と一緒にホーク一味の後を追って仇討ちをすると言い出した。ルースターは、何とか彼女を思いとどまらそうとしたが、結局2人を連れて旅を続けることになった。やがて、ルースターたちは、ホーク一味が騎兵隊から奪った荷馬車の周囲でキャンプしているのに出くわした。ホークとブリードは出かけていなかったが、ルースターは巧妙な作戦で彼らを混乱させた。だが一瞬気を抜いた時に彼を救ったのは、ユーラの見事な射撃の腕だった。彼女は、少女時代、初恋の青年から射撃と乗馬を教わっていたのだった。ルースターはユーラを見直すのだった。一方、荷馬車を奪われたことに気づいたホークたちは、3人を追った。夜が明ける頃、大きな河の渡し場に到着した3人は、急流にイカダを漕ぎ出した。一足ちがいで河岸に着いたホークは河面にロープを張り渡し、イカダを止めようとした。スピードが落ちたイカダ目がけて、一味のルークが撃とうとした時、ブリードが昔の友人に対する友情からルークを殺し、ルースターを救った。ブリードの裏切りに怒ったホークはその場で彼を射殺した。イカダはさらに急流を下っていった。川巾がせばまった地点で、ホークたちが待ち伏せしていた。ルースターはニトロの箱を急流に落として、それが、ホークたちの前にさしかかった時、箱を撃った。轟音とともにホーク一味が吹っ飛んだ。無事町に戻ったルースターはパーカー判事に、一味を皆殺しにしたことについて詰問された。だが、ユーラの弁護で判事も納得し、約束通り保安官のバッジを渡した。

「オレゴン魂」の解説

「勇気ある追跡」(68)の大酒飲みの片眼の保安官ルースター・コグバーン役でアカデミー男優賞を獲得したジョン・ウェインが、再び同じキャラクターに扮する西部劇で、キャサリン・ヘップバーンとは初共演である。製作はハル・B・ウォリス、監督は「女優志願」「終身犯」「小さな巨人」などを製作し、監督第2作目(1本目は日本未公開)のスチュアート・ミラー、脚本はマーティン・ジュリアン、撮影はハリー・ストラドリング・ジュニア、美術はプレストン・エイムズがそれぞれ担当。出演は前記の2人のほかに、アンソニー・ザーブ、リチャード・ジョーダン、ジョン・マッキンタイアなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1976年10月4日
配給 ユニヴァーサル=CIC
制作国 アメリカ(1975)

ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-17

ジョン・ウェイン扮する「勇気ある追跡」の主人公ルースター・コクバーンが再登場する西部劇「オレゴン魂」。
大酒飲みで左眼に眼帯、犯罪者は容赦なく射殺する保安官ルースター・コクバーンが再登場。
白髪が増えたが、相変わらず同居人の中国人に世話を焼かれ、将軍という名の猫も健在だ。
相変わらずの逮捕ぶりで、何人殺したか覚えていないと詰問され、パーカー判事(ジョン・マッキンタイア)からバッジを取り上げられるが、騎兵隊を皆殺しにしてニトログリセリンを奪った、ホーク(リチャード・ジョーダン)一味を生け捕りすれば、賞金2000ドルと終身保安官にするという条件で追跡の旅に出るのだった。
古き善き西部劇というものがあるとすれば、1950年代が全盛期で、ジョン・ウェインがオスカーを獲った「勇気ある追跡」は、その終焉を飾る名作だった。
その続編を作ったのは、ハリウッドの名優に最後の華を咲かせたいという周辺の配慮があったからこそ。
そのためには、相手役が大切で、ハリウッドの盟友でありながら、共演したことがない名女優のキャサリン・ヘプバーンに白羽の矢が立った。

監督のスチュアート・ミラーはプロデューサーとして有能で、二人の初共演と「勇気ある追跡」のいいとこどりをして完成したこの作品は、アメリカでは、公開前から評判を呼び大ヒットを記録。 ただし、クオリティに関しては、前作の二番煎じの域を超えられる筈もなく、かなりどこかで観たことがあるシーンや破綻のある展開が目立っている。 それでも、勝ち気で愛らしい修道女に扮したキャサリン・ヘプバーンが登場し、ジョン・ウェインと共に旅をするうちに、打ち解けていく様は、まるで熟年夫婦を観るようで微笑ましいものがある。 大男のウェインが、ヘプバーンに言い負かされ、大人しく従う姿は、ほのぼのとしたムードが漂い、魅了されてしまう。 ジョン・ウェインは、翌年の「ラスト・シューテスト」が遺作となったが,キャサリン・ヘプバーンは、その後も大活躍したのは周知のとおりだ。 ストローザー・マーティン、リチャード・ジョーダン、アンソニー・ザーブなどに囲まれて、はまり役を全うしたジョン・ウェインにとって、本当の意味での最後の作品と言えるだろう。

最終更新日:2024-05-27 16:00:01

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