荒鷲の要塞 作品情報
あらわしのようさい
第2次大戦で連合軍が、ようやく反撃に移ろうとしている頃。鷲の城と呼ばれるドイツ情報本部に、アメリカのカーナビー将軍が捕われの身となっていた。彼を救出すべくジョン・スミス(リチャード・バートン)をはじめとする6人のイギリス軍情報部の諜報員と、アメリカのレンジャー部隊員シャファー中尉(クリント・イーストウッド)らが乗り込んだ。彼らは、情報部のターナー大佐の命令でこの大仕事に取り組んだのだ。だが何故かスミスは、ほかの部員とは内密に女性諜報部員メアリー(メアリー・ユーア)と連絡をとっていた。そしてドイツ兵士が集まる酒場に彼女を連れて行き、そこで働くスパイ仲間のミス・ハイディに引きあわせる。ハイディの口ききで、メアリーは鷲の城の中に仕事口を見つけて潜入する。その直後、酒場に一斉手入れがあり、スミスは逮捕される。情報が筒抜けであるので、二重スパイがいるのかもしれない…。やがてスミスは逃亡し、シャファーと2人で城内に潜入してメアリーと連絡し、カーナビー将軍が城外に連れ去られることを防ぐ。カーナビー将軍の取り調べが始まろうとしており、そこにはスミスらと一緒に来た3人のイギリスのスパイが捕らわれていた。そこへ現れたスミスは意外なことを言い出す。「このカーナビー将軍は偽物だ! そして、この3人のスパイたちも、実はイギリス側ではなくドイツ側だ!」。そしてスミスはメアリー、シャファーらとともに城内を破壊し、アメリカの俳優が扮している偽将軍を連れて脱出。やがてターナー大佐の飛行機で救出される。では何故スミスは、こんなことをしたのか? 実は、かねがねターナー大佐の行動が怪しいと、にらんでいた男がいた。イギリス軍情報部のローランド海軍提督である。彼はそれを証明するために、偽将軍が捕らわれる状況を作り、救出作戦を立てた。そして救出部員の人選をターナーにまかせたのである。案の定、ターナーは裏切り者のスパイたちを作戦に加えたのだった。事実を知っていたのはスミス1人。間もなくして、ターナーは自決して果てるのだった。
「荒鷲の要塞」の解説
「ナバロンの要塞」の作家アリステア・マクリーンのオリジナル・シナリオ(彼はのちに、この脚本を小説化している)を、俳優から転じた「追いつめて殺せ!」のブライアン・G・ハットンが監督したアクション篇。撮影は「暗殺! 5時12分」のアーサー・イベットソンで、ロケ地はオーストリア・アルプスのザルツブルグ地方である。音楽は「クロスボー作戦」のロン・グッドウィンが担当した。出演は「危険な旅路」のリチャード・バートン、「夕陽のガンマン」シリーズのクリント・イーストウッド、「カスター将軍」のメアリー・ユーア、「ジョーカー野郎」のマイケル・ホーダーンほか。製作は「今宵限りの恋」のジェリー・ガーシュインとエリオット・カストナーのコンビ。
公開日・キャスト、その他基本情報
配給 | MGM |
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制作国 | アメリカ(1968) |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-08
「荒鷲の要塞」は、難攻不落の要塞に特殊部隊が挑むという、典型的な特攻作戦もので、見応えのある戦争アクション映画だ。
「ナバロンの要塞」に次ぐ、アリステア・マクリーンものの傑作だと思う。
しかも、この作品は、アリステア・マクリーン自身のオリジナル・シナリオによる作品なのだ。
リチャード・バートン扮する特殊部隊の隊長が、ナチス・ドイツ軍に寝返ってみせるあたりのサスペンスも堂に入っていて、アメリカのレンジャー部隊のクリント・イーストウッドとともに、驚き、ハラハラしながら見守ることになるのだ。