P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-05-12
この映画「アパッチ」は、実在したアパッチ族の勇者マサイの武勇伝を描いた作品で、「北国の帝王」「ロンゲスト・ヤード」など、骨太なアクション映画を得意とするロバート・アルドリッチ監督がメガホンを取った作品です。
どこまでが本当で、どこまでが作り話かという、虚実織り交ぜて、ロバート・アルドリッチ監督は、抜け目なくペーソスも織り込みながら、マサイを稀に見る英雄として描き、敵ながらあっぱれな奴と褒めたたえているのです。
そして、この映画の終盤で、隠れ家を騎兵隊に包囲されたマサイは、ナイフ一本で騎兵隊と戦おうとするのですが、その時、我が子の誕生を知り、その新しい生命のために、マサイが平和を受け入れようと決心するラスト・シーンは、この映画のハイライトと言ってもいいと思います。
このように、インディアンを主人公に据えてはいますが、人種問題を提起したわけではなく、あくまでも、"白人の立場"から描いた"インディアンへの同情映画"にすぎなかったと思います。