アパッチ(1954) 作品情報
あぱっち
アパッチ族は酋長ジェロニモ以下が合衆国に降伏して捕らえられたが、その中の1人マサイ(バート・ランカスター)は列車護送中に脱走し、故郷の西部アパッチへ帰りついた。しかし、彼のいない間に故郷はすっかり変貌し、マサイの恋人ナリンリ(ジーン・ピータース)の父サントス(ポール・ギルフォイル)が、名前だけの酋長にまつりあげられていた。マサイはアパッチ族が自立するには青年たちの意欲を農業に向かわせなければならないと主張したが、サントスに裏切られて再び敵に捕らえられる。だが、マサイはまたもや護送中に脱走、ただ1人山中に隠れて、合衆国と裏切者に対する復讐に燃え立った。そしてある日、ナリンリを誘拐して隠れ家の廃鉱へ連れてきた。最初は2人とも互いに打ちとけなかったが、次第に愛情を抱き合うようになり、冬が来る頃には結婚して小さな小屋を営んだ。春が訪れた頃、ナリンリは身篭っていた。あるとき彼女が村へ下って食糧を盗んできたことから足がつき、2人の小屋は合衆国軍に包囲された。マサイは1人敢然と敵に立ち向かったが衆寡敵せず重傷を負う。マサイが最後の力をふりしぼって敵に向かおうとしたとき、突如赤ん坊の産声が一際高く聞こえた。声の方をふりむくマサイを撃とうとする合衆国兵士は、誰ひとりとしていなかった。かくて、マサイは農夫となって一生を送り、アパッチ帰順の先覚といわれるようになったのである。
「アパッチ(1954)」の解説
「真紅の盗賊」と同じくバート・ランカスターが主演し、ハロルド・ヘクトが製作にあたった1954年作色彩(テクニカラー)西部劇。ポール・I・ウェルマンの小説を「語らざる男」のジェームズ・R・ウェッブが脚色、新人ロバート・アルドリッチが監督した。撮影は「第17捕虜収容所」のアーネスト・ラズロ、音楽は「悪人と美女」のデイヴィッド・ラクシン。共演に「拾った女」のジーン・ピータース、以下「アスファルト・ジャングル」のジョン・マッキンタイア、チャールズ・バチンスキー、ジョン・デナー、ポール・ギルフォイルなどが出演する。
公開日・キャスト、その他基本情報
配給 | UA日本支社=松竹 |
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制作国 | アメリカ(1954) |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-05-12
この映画「アパッチ」は、実在したアパッチ族の勇者マサイの武勇伝を描いた作品で、「北国の帝王」「ロンゲスト・ヤード」など、骨太なアクション映画を得意とするロバート・アルドリッチ監督がメガホンを取った作品です。
どこまでが本当で、どこまでが作り話かという、虚実織り交ぜて、ロバート・アルドリッチ監督は、抜け目なくペーソスも織り込みながら、マサイを稀に見る英雄として描き、敵ながらあっぱれな奴と褒めたたえているのです。
そして、この映画の終盤で、隠れ家を騎兵隊に包囲されたマサイは、ナイフ一本で騎兵隊と戦おうとするのですが、その時、我が子の誕生を知り、その新しい生命のために、マサイが平和を受け入れようと決心するラスト・シーンは、この映画のハイライトと言ってもいいと思います。
このように、インディアンを主人公に据えてはいますが、人種問題を提起したわけではなく、あくまでも、"白人の立場"から描いた"インディアンへの同情映画"にすぎなかったと思います。