『眠り姫』などの才気溢れる作品で知られる七里圭監督、初のドキュメンタリー映画『背 吉増剛造×空間現代』が2022年10月から新宿k‘scimemaにて公開されることが決定した。
80歳を超えてなお旺盛な創作活動を続ける、日本を代表する現代詩人・吉増剛造。彼が、先鋭的なオルタナティブロックバンド・空間現代と、京都の小さなライブハウス「外」で2019年に行った、ある朗読ライブ《背》の記録。
ライブ・ドキュメンタリー映画『背 吉増剛造×空間現代』
吉増剛造はその年の夏、かつて津波を引き起こした海に面する宿の小部屋で、窓の向こうの海に浮かぶ霊島・金華山を眺めながら、その地に足を踏み入れることなく、思いを馳せた。
それは今、世界が閉ざされる経験をした後の我々には、予見的で、象徴的にも感じる。
マスクや目隠しを用いながら、声の限りに叫び、録音を再生し、ありったけの力で透明なガラスにドローイングする……鬼気迫るライブ・パフォーマンスの全編を凝視して、詩人の言葉の「背」後を浮き彫りにする。