2004年、第57回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。審査委員長のクエンティン・タランティーノ監督が激賞し、国内外の映画賞で高い評価を得た鬼才パク・チャヌクの傑作復讐サスペンスが待望の4Kリマスター化。『オールド・ボーイ 4K』として、5月6日(金)より全国公開となる。
作:土屋ガロン(狩撫麻礼)、画:嶺岸信明による日本の同名コミックを原作に、『JSA』で国際的に注目を集めていたパク・チャヌク監督が映画化した本作は、ある日突然何者かに拉致監禁され、理由も明かされぬまま15年後に突如解放されたオ・デスの壮絶な復讐劇を描く。予想を超えるストーリー展開と、スタイリッシュかつ容赦なきバイオレンス描写が話題となり、今もなお多くのファンに愛される作品だ。
この度解禁となったのは、当時多くの映画ファンを驚愕させた、主人公オ・デスがハンマーを振り上げ、数十人のヤクザを相手に死闘を繰り広げる姿を、約3分の横移動長回しワンカットで撮影した場面の前半部分。今もなお映画やゲームなど、様々な映像の世界に影響を与えている伝説的なシーンだ。
当初は細かいカット割りを想定していたがパク・チャヌク監督が撮影当日ワンカット長回しでの撮影に変更。もともと、それぞれの役者に複雑な動きが想定されていたが、その場で調整し直したという。全身が映るため、アクションのふりだけでは臨場感が生まれない。殴る、蹴る、刺すといった様々な動きにリアリティを込めるため、役者たちは全力で動いているのが映像から見て取れる。しかし、役者の動きはクリアしても独自の美学を貫くパク・チャヌク監督からはなかなかOKが出ない。繰り返すこと16 or 17テイク目。チェ・ミンシクがフラフラになりかけながらも全力で暴れたカットでOKが出た。このカットはオ・デスが美しく立ち回る場面を撮ろうとしたのではなく、限界の力を振り絞って死闘を繰り広げる姿を撮るために長回しにしたのだ。
撮影を担当したのは、当時新人撮影監督だったチョン・ジョンフン。彼は本作以降もパク・チャヌク監督作品のほとんどで撮影を務め、ミア・ワシコウスカ、ニコール・キッドマンが共演した『イノセント・ガーデン』(13)でパク・チャヌクと共にハリウッド進出。今や『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(17)、『ゾンビランド:ダブルタップ』(19)、『ラストナイト・イン・ソーホー』(21)、今年Disney+で配信されるドラマ「オビ=ワン・ケノービ」など、世界的に活躍する撮影監督となっている。
チョン・ジョンフンは、撮影監督として起用される前にパク・チャヌク監督へいくつかの要望を出していた。そのひとつが「緑色を効果的に映したい」ということだった。今回の4Kは、色の鮮やかさがかなり強調されているので、是非、劇場で確認して欲しい。映画『オールド・ボーイ 4K』は、5月6日(金)より全国公開!
映画『オールド・ボーイ 4K』本編映像<伝説の横移動アクション>
https://youtu.be/SGf2j5a_bnE