柄本佑、総合演出の安達氏とは「親戚のような距離感ゆえに恥ずかしい」!?コロナ禍の今だからこそ、心にしみる安先生の生き様。人に寄り添える作品になったと自信!『心の傷を癒すということ≪劇場版≫』初日オンライン舞台挨拶

柄本佑、総合演出の安達氏とは「親戚のような距離感ゆえに恥ずかしい」!?コロナ禍の今だからこそ、心にしみる安先生の生き様。人に寄り添える作品になったと自信!『心の傷を癒すということ≪劇場版≫』初日オンライン舞台挨拶
提供:シネマクエスト

今から 25 年前、阪神・淡路大震災によって瓦礫の山と化した神戸に、“被災者の心のケア”のパイオニアとなった、ひとりの若き精神科医がいた。多くの被災者の“心”に寄り添う壮絶な日々と、彼を懸命に支えた家族との絆を描く感動のヒューマンドラマ「心の傷を癒すということ」。2020年 1 月に NHK で放送され、大きな反響を呼んだドラマが劇場版として 1 月 29 日(金)より公開された。【関西地区は 2 月 12 日(金)より公開】。

1995 年 1 月 17 日に発生した阪神・淡路大震災。自らも被災しながらも、避難所などで“被災者の心のケア”に積極的に取り組んだ若き精神科医・安克昌氏を柄本佑が演じ、彼を支える妻・終子に尾野真千子が扮している。公開初日を記念し、主演の柄本佑とテレビ版総合演出の安達もじりがそれぞれ東京と大阪からオンライン舞台挨拶に参加、本日初日を迎える全国 12 館に生中継された。

主演の安和隆を演じた柄本佑は東京から、テレビ版の総合演出を手掛けた安達もじりは大阪から、リモートで参加。今回キャスティングのきっかけを聞かれると、安達は「前から知り合いではあったんですが、一度もお仕事をご一緒したことがなく。今回の企画が立ち上がった時に、年・格好含めて一番信頼できる柄本さんにお願いしたいと満を持してお願いにあがりました」と答えると、柄本は照れ笑い。「改めて言われると恥ずかしいですね。もじりさんとは『まんぷく』というドラマでうちの妻が1年間ガッツリもじりさんにお世話になっていて。どちらかというと…親戚…?(笑)特殊な距離感なのかな。周りのかたがもじりさんと仕事をしていて、とっても面白いと聞いていたので、羨ましい思いもあったので、お話をいただいた時にはすぐに「やらせてください」と言いました。でもね、距離感が近い方が…緊張します(笑)」と笑顔を見せた。

また、共演の尾野真千子について聞かれると安達は「尾野さんも朝ドラで何度もご一緒していて、気心しれた俳優さんなんです。実は安先生のご家族の方と最初にお食事会をさせていただいたんですが、奥様に「誰が演じてくれたら嬉しいですか?」と半ばお酒のノリで伺った時に、真っ先に尾野さんのお名前がご家族の口から出てきて。一番しっくり来るんだなとその瞬間感じたので、これもまた満を持してお願いした次第です」と柄本・尾野ともに理想のキャスティングが叶ったことを明かした。

柄本も尾野との付き合いは古いとのことで、「今回尾野さんになると聞いて「マチコか〜!」と。今回のおっとりとして、かつ芯のある女性をどんなふうに演じられるのかなと。撮影初日が映画館から出てくるシーンで、その時に尾野さんの発する声を聞いてもう、マチコワールドに俺、引き込まれました!」と笑顔で話していた。「僕と尾野真千子が揃うと現場でずーっと喋ってるんですよね。現場の方々はもうちょっと静かにしてくんねえかなと思われてるんじゃないかなと思うんですけど(笑)でも、今回の現場はそういうことも必要な現場だった気がします」と柄本が話すと、安達は「実は今回、安先生の一番下のお子さん…劇中で最後に産まれた子が撮影の時に当時 18 歳くらいになっていて、「撮影現場にきてみますか」と言ったところ、真剣に考えてくださり、撮影中ずっと演出部のスタッフとしていてくれたんです。お父さんのことを覚えてない中で、自分のお父さんの知る時間になってくれたらなという思いもありながら。彼女が作品を撮ったときの心の支えであり、みんなが心を一つにできたというところがあります。」と語ると、柄本は「それはすごく大きいですね。僕も安先生を演じながら、あの子に伝えたい、あの子にプレゼントしたいという気持ちを常に持っていて、スタッフもキャストもそういう思いを持っていたんじゃないかなと。だから非常に私的な思いで作品が作られていたなと思います。」と実感を込めて語った。安達は「そうですね、普段「誰に見て欲しい」というような問いに、元々はテレビ作品なので視聴者に見て欲しいと意識しながら作るんですが、それを超えたところでただひたすらに寄り添うように作った現場だったなと感じていますね」と撮影中の思いを語った。

本作のテーマである「寄り添うこと」について。「寄り添うって何?というのはずっと思ってましたね」と柄本がいうと安達も「私もいまだに答えは見つかってないです」と、その難しさに話が及んだ。安達が「和隆という人は、谷村美月さん演じるご夫婦に、冷静になるとアドバイスも何もしてないんです。でも話を聞くことで彼女たちが一歩を踏み出していくその凄さ。これは撮ってからそういうことをすごく感じて。谷村さんも和隆のいる保健室にやってくるところの芝居が難しかったとおっしゃってました」と振り返ると、柄本も「めちゃくちゃ難しかったです!(芝居の)姿勢とかはあの場面ではこうやろうというのは決まってましたけど、いざ喋ってくれるまでのあの長い時間、谷村さんのどこで目を見ててあげて、外してあげて、どこで頷いてあげればいいんだろうということは非常に悩んだし、大変でしたね。どの人に寄り添うシーンもそうでしたけど、とにかくこちらからの発信を消していく、そこにいて圧を与えずにそばにいる。そばにいてくれたから喋る、そういう存在でいられたらと。劇中の湯浅のモデルの一人である先生からお聞きした話で、「傷は癒すんじゃないんだよね、癒えるんだよね」と安先生とよくおっしゃっていたそうなんですが、傷というのは癒えていくけれども、癒えるまでの時間というのは人それぞれ。だから 10 分で喋ってくれる人もいれば、1 年・2 年かかる人もいる。そこにただいてあげることが大切なのかなと。ただ、つい発信したくなるというか…」と“寄り添う”ことの難しさについては、いまだ考えるところも多いようだ。

「(ただそこにいる、という)安先生の生き様はすごいんだなと改めて感じます。このコロナ禍という想像をしなかった段階で撮影をしていましたが、今改めていろんな苦しんでいる方がたくさんいる状況において、あの安先生の生き様は身にしみます」と安達。

最後に観客へのメッセージとして柄本は「去年全 4 話という形で NHK でオンエアされたものが再編集され、劇場版として生まれ変わりました。安先生のご家族へのプレゼントのような気持ちで撮影に臨ませていただいて、それがまた今度は映画館で上映されるということで、安家の皆さんへのプレゼントがもう一つ増えた気がします。僕が大好きな映画館の大きなスクリーンで新たにプレゼントが増えたことが何よりも嬉しいです。たくさんの方に見ていただきたいですし、劇場は感染予防を徹底してますので、安心してぜひ見にきていただけたらと思います」と語った。安達は「息の長い作品でありたいと思って作ってきましてこうして映画にしていただきました。しんどいと思った時とかこの作品に触れていただいて、いつでも寄り添っていられる作品になったと思っています」とメッセージを送り、オンライン舞台挨拶を締め括った。

最終更新日
2021-02-01 09:00:15
提供
シネマクエスト(引用元

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