“恋愛映画の傑作‼” デビュー作が大ヒットを記録し話題沸騰中のライター/小説家 カツセマサヒコが大絶賛‼『窮鼠はチーズの夢を見る』夏休み限定イベント

“恋愛映画の傑作‼” デビュー作が大ヒットを記録し話題沸騰中のライター/小説家 カツセマサヒコが大絶賛‼『窮鼠はチーズの夢を見る』夏休み限定イベント
提供:シネマクエスト

水城せとなの傑作コミック「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」を映画化した忘れられない恋の物語-。TOHOシネマズ 日比谷ほかにて9月11日から公開する映画『窮鼠はチーズの夢を見る』の夏休み限定イベントの第一夜が24日、東京のスペースFS汐留で行われ、メガホンを執った監督の行定勲のほか、特別ゲストとして、デビュー作の小説「明け方の若者たち」が6万部を超えるヒットを記録し、話題になっているライター/小説家のカツセマサヒコが参加した。

新型コロナウイルス感染予防の為、座席の間隔を空けての実施となったことに対し、行定監督は「コロナ禍がなかなか終息せず、果たして公開出来るのだろうかと不安な日々でしたが、皆さんが今日この場に来てくれたことで、公開出来そうだなと実感が湧きました」と来場者に感謝の意を述べた。カツセ氏も来場者に御礼を伝え、「行定監督の作品を観て育ってきたので、今日は一ファンとしていろいろと伺いたいことでいっぱいです」と行定監督との初対面を果たした喜びを滲ませた。

恋愛に関する名言が多い原作としても知られている「窮鼠」シリーズを映画化するにあたり、どのような点を意識したのかという司会者からの質問を受け、行定監督は「最初はBLマンガだと言われて読んだのですが、読み進めていくうちに、これは個人の恋愛の話だと思いました。10年以上前に描かれた作品ですが、非常にリベラルな内容で今日的だなと感じたんです」と振り返り、「脚本家が映画として描くためにまとめてきたものを読んだ時に、自分自身が恭一と同じような気持ちになって体験するような感覚になりました。恭一の気持ちがかなり分かるんですよ(笑)女性たちの在り方を描くのが大変だとも思いましたが、それが(映画化する際の)ひとつのモチベーションにもなりましたね。そして結果として、今ヶ瀬の気持ちがよく分かるようになりましたね」と語った。

7月に公開された映画『劇場』と本作『窮鼠はチーズの夢を見る』は、どちらも「どうしようもない愛の行方」を描いている点が共通しているがこれは偶然なのか、意図的なのものがあったのかと尋ねられると、行定監督は「本当は時期を離して公開したかったが、いろいろなことが重なり、立て続けに公開することになりました」と本音を漏らした。「初期の作品ではポリフォニックというか、群像劇が多かったのですが、ある時から、二人が良いと思うようになりました。できればあまり人が出てこず、部屋の中で繰り広げられる物語が良いなと。(登場人物が)二人になると物語に起伏がないけれど、そこで生まれる退屈さを役者の力を借りて面白くするというのが、最近の(自身が撮る映画への)考え方。『劇場』と『窮鼠はチーズの夢を見る』は同時に準備をしていたので、それぞれの影響を受けていると思います」と制作に対する考えを語ってくれた。

カツセ氏は「一人の人間が抵抗しながらも、沼のような恋にちょっとずつ入っていく様をものすごく丁寧に描かれていて、男女問わず誰しもが経験したことがある恋愛だと思ったので、恋愛映画の傑作として広まると嬉しいです」と本作への熱い想いを伝えた。

印象的なシーとして、屋上で戯れるシーンを挙げ、カツセ氏がアドリブなのか?と尋ねると、「脚本上では何も指定されていなかった」と行定監督は話し、何をやらせれば楽しそうな笑顔のカットを撮れるだろうかと考えた結果、生まれたシーンであると教えてくれた。行定監督は「成田くんの方が演出の意図を汲んで、積極的に演技をしていたと思います。大倉くんは無邪気に楽しんでいただけじゃないかな」と撮影時の様子を振り返る。
また、カツセ氏は原作にはないが自身が好きだったシーンとして、大倉演じる恭一の元カノ・夏生と今ヶ瀬がタイ料理屋で対峙する姿を挙げ、「原作にはないオリジナルのシーンが光っているという要素が、行定監督の作品には多い印象」と話すと、行定監督は「オリジナルのシーンに関しては、ふとしたことで幸せを感じるみたいなのを引き立たせるにはどうしたらいいか?と考えていく中で生まれたものです」とシーン誕生の秘話を明かした。本作を映画化するにあたり、名言の多い原作の中で意識的に残したセリフについて尋ねられた行定監督は、今ヶ瀬の“心底惚れるって、すべてにおいてその人だけが例外になっちゃうってことなんですよね”を挙げ、「ここに向けて作られる映画にしたかった」と語った。

カツセ氏は「恭一が今ヶ瀬の本能というか感情にどんどん気付かされていくシーンが僕にとってはハイライトでした。自分がどれだけ受け身で流されてきたのかを思い知っていく様の描き方が、セリフひとつひとつで、どんどん開化していく恭一の感じが観ていてしんどかったです。僕自身も昔は流され侍だったので同類嫌悪しかなかったです(笑)」と茶目っ気たっぷりに自身の過去とシンクロしたと打ち明ける。行定監督は「登場人物たちそれぞれに矢印があって、恭一と今ヶ瀬だけが一瞬向き合えるのに、すぐ離れてしまう。登場人物たちはお互いの感情が分かっていないけれど、観客の方は彼らの感情が伝わってくるという作りにしたかった」と映画に込めた想いを語った。

また、恭一に共感する部分が多かったというカツセ氏は「恭一が今ヶ瀬に優しくする時に、今ヶ瀬が怯えたような顔を毎回するんですけど、優しくされると浮気を疑うというか。僕の歴代の彼女たちも同じだったので、今ヶ瀬の表情に痛いほどリアルを感じましたね」と話すと、行定監督も「大倉くんから滲み出ていた後ろめたさが上手いよね。言い訳するシーンが素晴らしい!」と同調。カツセ氏は普段の大倉にもそういった一面があるのではないかと思わず疑ってしまったとも明かした。

最後に、カツセ氏は「人の感情の隅に置いてあるものを拾い上げていくような作品であることが広まっていくと嬉しいです。コロナ禍でも映画を観に来てくれる人のおかげで(映画は)広まっていくと思いますので、皆さんの力が必要です」と来場者に語り掛け、行定監督も「僕は今まで様々なラブストーリーを撮ってきましたが、胸を張って、これが本当のラブストーリーだと言える映画を作ることが出来たと思います。劇場の空間でこそ感じられるものがあると思うので、スクリーンで映画を観ていただきたい!」と思いの丈を語り、会場中は盛大な拍手で包まれた。

最終更新日
2020-08-26 08:00:38
提供
シネマクエスト(引用元

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