日時:11月30日(金)
場所:丸の内ピカデリー1
登壇者:榎木淳弥(ヨナ・バシュタ役)、村中 知(ミシェル・ルオ役)、松浦愛弓(リタ・ベルナル役)、梅原裕一郎(ゾルタン・アッカネン役)、福井晴敏(脚本)、吉沢俊一(監督)、小形尚弘(プロデューサー)
1979年にTV放送された富野由悠季監督の『機動戦士ガンダム』を原点に、広がり続けてきたガンダムシリーズ。その宇宙世紀シリーズ最新作にして、大ヒットシリーズ『機動戦士ガンダムUC』のその先を描く、宇宙世紀サーガの最新作『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』が、11月30日より全国90劇場でロードショー。富野監督が描いた“ニュータイプ”という概念に対し、果たして本作はどのような答えを見出すのか…。物語は、『機動戦士ガンダムUC』より、一年が経過した、宇宙世紀0097年。世界的な商業ネットワークを構築する華僑の商業集団、ルオ商会が調整し、実戦投入した新たなモビルスーツ「ナラティブガンダム」。果たして彼らの真の目的とは何なのか?映画の公開を記念して、初日舞台挨拶が行われた。
まずは印象に残っているシーンについて聞くと、榎木は「いっぱい衝撃的なシーンが多くてなかなか選びづらいですが…やっぱりナラティブガンダムに乗っているということもあって、A装備が向かってくるところは加速する音やビームをとばすところは、最初にガンダムが出てくるシーンということもあって、ものすごく印象に残ったかな、と思います。」と、自身の印象を語った。村中は「ミシェルのラストシーンですね。すごく光栄な気持ちで、誇りに満ちています。」と、物語の核となるシーンを演じたことに対する喜びを語った。
梅原も「ラストのヨナに声をかけるシーンは最初、カットされる予定だったのですが、収録の日にやることになって。あのシーンがあるかないかではゾルタンの印象が大きく変わるので、やることができてよかった。」と収録裏話を明かしつつ、印象的なシーンについて語ると、脚本を担当した福井は「全編が名言だよね、ゾルタンは。」と同意。梅原も「独特な、ガンダムっぽい言い回しが多かった」と感じていたようで、村中は、「ゾルタンの荒れた想いの積み重ねがああいうセリフになっているのかなと思うと、聞きながら感動していました。」と、敵役ながらも梅原演じるゾルタンのキャラクターの魅力について語った。
すると、小形は、榎木さんの赤いラインの入った衣装について触れ、「榎木くんのスーツはサイコフレームなの? すごいサイコフレームっぽい!」とツッコむと、「用意してくださったものなのですが、『瘦せっぽちの僕を、彩ってくれる…。』と自信の演じたキャラクターになぞってボケ返した。
さらに小形は「この作品はこの4人の役者がそろわなかったら、こうはなっていなかったな、と。このキャストの個性が前面に出た作品になんじゃないかな、と思っています。その中でもアッカネンさんはいいですよね。最後の小さい頃のゾルタンが出てくるシーンは印象的です。」と、メインキャラを演じた4人のキャストに太鼓判。
福井は「一回目ではわからないと思うので、二回目をみるときにはぜひ注目していただきたいのですが、フェネクスが移動するときにしっぽがぴよ~んとなるところがあるのですが、そこがすごくかわいいです。みていると、フェネクスがだんだんと生き物のように見えてくるんですよね。」と独自の注目ポイントを語った。監督の吉沢は「浜辺のシーンですね。場所をいろいろ移動しますが、最終的に浜辺に戻ってきて語り合う、あそこから物語が始まり、収束していく…あと絵コンテをいっぱい書き直したんですよね(笑)。この作品の足場になったシーン場面ですね。」と、初監督を務めたこの作品での思い出を感慨深く語った。
来年、40周年をむかえる歴史ある“ガンダム”というシリーズに参加した感想を聞かれると、榎木は「小さいころからガンダムに触れてきて、初めて参加が決まった知らせを聞いたときは現実感がなかったですね。まさか自分がガンダムにのれるとは思っていなかったので…男性声優は憧れている方も多く、いつか自分もとは思っていましたが、まさか自分が乗れることになるとは思わなかったです。チャンスが多いものではないですし、ガンダムのファンの方は多いので、裏切らないように、という想いでした。」と、話した。
アフレコでの思い出について、梅原は「松浦さんが、高校生で、榎木さんがずっと『JKがいる!』とはしゃいでいて(笑)高校2年生のこと“SJK”というらしく。そういうことを教えてもらっていました。みんなで、プリクラをみせてもらったり。」と裏話を明かすと、“盛れる”プリクラについて松浦が説明したり、アフレコブースでの和気あいあいとした様子を垣間見せていた。
今作を1度ではなく、2度3度楽しむための見どころについての話になり、村中は「ストーリーの大筋は理解していただけだと思うので、いろんな伏線を感じながら見ていただけるのではないかなと思います。」と答えると、松浦は「村中さんとまったく同じことを言おうと思っていました…! もう一つ、画がすごくきれいなので、光や速さを感じながら何度でも楽しんでほしいです。」と初々しく語った。
福井は、「今回はニュータイプに対して踏み込んでいて、賛否あると思うのですが、僕が勝手に思いついたわけではなく、過去のシリーズから振り返ってみると、こう考えるしかない、と思うポイントがあると思うので、そういったところに注目しながら見ていただきたいです。」とニュータイプ神話というものに踏み込んだ想いを熱く語った。
最後に、松浦は「何度も観ても、面白いと思っていただける作品となっていると思います。ぜひ何回も劇に足を運んでください。」と作品をアピール。村中は、「ガンダムの宇宙世紀の歴史に携われたことが本当に光栄です。この作品は、それぞれの思惑がいびつに絡まり合っている作品で、しかも神采配の音楽と共に、鳥肌が立つシーンがあったと思うので、ぜひ感想待っています。(笑)ぜひ何度も楽しんでほしいです。」と話し、榎木は「初日を迎えるまでどんな反応が返ってくるか、すごく不安だったのですが、こうして皆さんの前に立てて、すこし不安が収まりました。キャスト・スタッフ一同、出せるものをすべて出し切りました。あとは皆さんにいろんな感想をいただき、もし面白いと思っていただけたらぜひ周りの方にも広めて下さい。」と、熱く語り、最後までキャスト・スタッフの熱いトークが全開の中、イベントは終了した。