山田孝之&長澤まさみW主演、映画『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』などで知られる福田雄一監督が初めて手掛けるラブストーリー『50回目のファーストキス』(6月1日全国公開)。4月30日には東京・イイノホールで完成披露試写会が行われ、主演の山田孝之、長澤まさみ、共演の勝矢、太賀、山崎紘菜、佐藤二朗、そして福田雄一監督、さらにサプライズゲストとして主題歌を担当した歌手・平井堅が参加した。
ハワイ・オアフ島を舞台に、事故による後遺症で新しい記憶が1日で消えてしまう短期記憶障害を抱える瑠衣(長澤まさみ)と、そんな彼女に一目惚れした元プレイボーイのツアーコーディネーター・大輔(山田孝之)との一生に一度の恋を描いた大人のラブストーリー。
コメディー映画の名手として知られる福田監督だが「本来はラブストーリーやりたい人間なので念願叶って。元々LOVEを信条に生きている人間だから」と意外な心境を告白。佐藤から「ずいぶん遠回りしたな!」とのツッコミが上がる中で「原作の映画を観たときに、ちゃんと笑えて泣ける映画だったので、挑戦したいと思った」と新境地開拓の理由を説明した。
連ドラ「勇者ヨシヒコ」シリーズなどで福田監督とのコンビも多い山田は、主演を引き受けた理由を聞かれると「18年俳優をやって来て、やっとご褒美が来たと思った。お話を頂いたときは色々と大変なこともあって、そんな時に福田組で、ハワイで、長澤まさみさんで、しかもチューいっぱいで…。断る理由を探したけれど、何もなかった」と爆弾発言。これに壇上や会場が予想外に荒れると、山田は「全部冗談。嘘です。昔はラブストーリーをやっていたけれど、ここしばらくやっていなくて、4年くらい前からそろそろやりたいなと。そんなタイミングで来たから、断る理由がない」とまともバージョンに言い直すも後の祭りで、登壇者からは総ツッコミだった。
福田監督と本格タッグの長澤は「やっと福田監督とお仕事ができると嬉しかった。山田さんとも11年前に映画をやって以来の共演。楽しそうだと二つ返事でした」と明かし「ハワイロケでは浮かれてしまって、それで私は何をやっているんだ!?と反省したり。でもハワイって浮かれますよね」と照れ笑い報告。ただ福田監督からは「ずっと笑っていたけれど、でもその浮かれた感じが役にぴったりだった」と前向きに理解されていた。
ただ太賀からはモノマネイジリの洗礼があったそうで、太賀は「僕が長澤さんのモノマネを思い切りやって、しかも山田さんと佐藤さんも混ざって3人のモノマネで長澤さんを囲んだ。そうしたら最初は笑っていた長澤さんが、ポロポロ泣き出して」と事件を回想。それに山田が「その場に4人の長澤まさみがいたんだよね」とノリノリで付け加えると、すかさず長澤は「一人だよ!」と突っ込んで、丁々発止ぶりを見せつけた。
一方、山崎は「福田監督のファンなので、お話があったときは嬉しくて震えました。撮影では福田組の映画作りのレベルの高さを知った」と言うも、常連の佐藤からは「どこが!?彼は“監督”という名のゆるキャラだよ!何がレベル高いの?」と驚愕される始末で、福田組のノリにタジタジだった。
またラブストーリーに挑んだ福田監督の現場での変化について佐藤は「いつもと一緒で驚いた。題材は純愛ラブストーリーなのに彼はいつもと同じ演出」と証言する一方で、福田監督は「3回くらい泣きました。とにかく山田君がヤバかった。山田君よりも泣いて、泣きすぎて子供みたいになった。OKを言うのもやっと。それくらい泣いた。逆に山田君が不安に思ったはず」と号泣報告。それに太賀も「福田さんは長澤さんと山田さんのシーンではシクシク泣いていた。それを見て山田さんと福田監督の長い関係性を感じたりして、感慨深かった」と目撃談を語った。
そんな中、別仕事のため、本日の登壇が叶わなかったムロツヨシから突然のビデオレターが流れだすと場内からは笑い声が。映像でムロは、「やっぱりはじめてハワイのオールロケでゆとりをもったスケジュールをみんな笑顔でじっくり……..山田さんは…….と」ハワイでの撮影やキャスト達へのコメントが語りだす様子にキャスト一同、総ツッコミの嵐!画面いっぱいに映し出された顔が話しながら上下する姿に、「なんで、上下する意味あんの?」「結構尺使ったけど、中身ゼロだったよ!!!」など、抜群のチームワークを誇る福田組ならではのやり取りに会場からは終始、笑いがこぼれていた。
さらに、主題歌を担当した平井がサプライズで登場。キャストにも知らされていないシークレットゲストということもあり、福田監督も「舞台挨拶でこんなにドキドキしたの初めて!」と大興奮。歓声に迎え入れられた平井は、東京駅で佐藤とばったり会ったことや、スペイン料理店で一人で呑む山田と遭遇したエピソードを披露するなどのジョークで爆笑を誘った。
主題歌のテーマについて平井は「脚本を読み、映像を観ながら書き下ろした。美しいストーリーだし、1日1日が続くことが奇跡だと思わされた」とし「これで僕も福田組に入れた。大好きな作品なので、運命的なものを感じた」と喜色満面。これに「エンドロールで流れる曲を聞くだけで泣ける!」と浮かれる福田監督をよそに、山田は「普通だったら書き下ろしてもらったことに喜べるけれど、福田組の作品で…。なんか一回損をした気分。ちゃんとした監督の作品で書き下ろしてほしかった。滅多にないチャンスの一回をここで使ってしまったのかという気分」と福田監督に毒づくと、平井は「いつでも書きますよ!」とノリの良さを見せた。
最後に長澤は「笑って泣いて感動するラブストーリーが出来ました。世代問わず楽しんでもらえる、自信を持って2回、3回観てもらいたいと思える映画になった」と自信を覗かせ、山田も「気楽に構えずに観てもらえれば。純粋に楽しんで、感情移入をして一緒に切なくなってもらって、まっすぐに観てほしい」とアピール。福田監督は「絶対に泣けます!この作品に自信があります」と最後まで強力プッシュだった。