新鋭・鈴木竜也監督の初長編アニメーション。本当の名前を呼ばれなかった男を描く「無名の人生」

新鋭・鈴木竜也監督の初長編アニメーション。本当の名前を呼ばれなかった男を描く「無名の人生」1
新鋭・鈴木竜也監督の初長編アニメーション。本当の名前を呼ばれなかった男を描く「無名の人生」2

提供:キネマ旬報

独学で制作した短編アニメーション「MAHOROBA」(2021)で注目された鈴木竜也監督が、初長編として、《誰にも本当の名前を呼ばれることの無かった男》の波乱に満ちた100年の生涯を描いた「無名の人生」が、5月16日(金)より新宿武蔵野館ほか全国で順次公開される。ティザービジュアルと特報映像が到着した。

仙台の団地に暮らすいじめられっ子の主人公が、転校生との出会いをきっかけに父親の背中を追ってアイドルを目指し、図らずも成り上がっていくさまを紡ぐ本作。全10章には主人公の蔑称や源氏名といった《別名》がそれぞれ冠され、タッチや色彩も章ごとに変化。背景には高齢ドライバーや芸能界の闇、若年層の不詳の死、戦争など現代人が直面する数々の問題をちりばめる。《誰にも本当の名前を呼ばれることの無かった男》が最後に直面する、誰も見たことのない景色とは--。
「音楽」(2019)の岩井澤健治監督がプロデューサーを務め、鈴木監督たっての希望でラッパーのACE COOLが主人公の声を担当。3月中旬には新宿武蔵野館で先行上映会が行われる。変幻自在の個人制作アニメーションに注目したい。

https://www.youtube.com/watch?v=aEKyYTL8ptI

〈コメント〉
まさか、実家で1人で描いてた映画にACE COOLさんが声を当ててくださるとは。
まさか、通っていた武蔵野館さんで自分の作品をがっつり上映していただけるとは。
でもその「まさか」を起こしたくて、スクリーンへの夢と野望をハチマキみたいに巻きつけながらブッ描いた93分。僕は絵が特別うまいわけでもないし、アニメの技術にもあまり自信はありません。がしかし、100人かかっても作れない内容と、1000人観ても予想できない結末を描けたという、度を超えた自尊心があります。とにかく多くの方に観に来ていただきたい一心です。どうか、よろしくお願いします。
--鈴木竜也(監督・原案・作画監督・美術監督・撮影監督・色彩設計・キャラクターデザイン・音楽・編集)
この度、主人公の声を演じさせていただきました。 私自身、普段ミュージシャンとして活動をしているのでこの映画のお話をいただいた時は大変驚き、声優初挑戦の私に主役が務まるのかという不安もありました。ですがある日鈴木監督本人からメールで熱いメッセージをいただき、飛び込んでみようと決心しました。 鈴木監督のアニメーションや独特のペースで展開される物語は日本のアニメ作品ではあまり見たことのない感覚でした。鑑賞後お客さんがどのような感想を持つのか、この作品に関わった一人として今から楽しみです。
--ACE COOL(主演)
「無名の人生」は鈴木監督の人生と想像を凝縮してドリップされた
これ以上ない濃度で作られた壮大でミニマムな映画です。
至極個人で作る究極の創造性の行き着く先を
是非とも劇場で体感していただけますと幸いです。
--岩井澤健治(プロデューサー)
「音楽」で共闘し想像を遥かに超える事跡を残して下さり、
以来絶大な信頼を寄せているお二人である、
岩井澤監督と宣伝プロデューサーの平井さんから「こんな逸材が居る」と、
鈴木竜也さんと「無名の人生」をご紹介いただきました。
この段階でほぼ即決でしたが、未完成版を拝見し、成程その画のタッチや物語の独創性に触れたことでより確信しました。
きっと多くの方がまだ触れられたことのない、未開拓のジャンルの作品だと思うので、どんな風にお客様に受け止めていただけるか、今からとても楽しみです。
--西島新(新宿武蔵野館 番組編成担当)

「無名の人生」
監督・原案・作画監督・美術監督・撮影監督・色彩設計・キャラクターデザイン・音楽・編集:鈴木竜也
声の出演:ACE COOL
プロデューサー:岩井澤健治
配給:ロックンロール・マウンテン 配給協力:インターフィルム
2024年/日本/カラー/93分/2.35:1/5.1ch/DCP
©鈴木竜也
公式サイト:https://mumei-no-jinsei.jp

最終更新日
2025-03-03 18:33:49
提供
キネマ旬報(引用元

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