弔辞の代筆者の葛藤と希望--。上海国際映画祭で受賞「来し方 行く末」

弔辞の代筆者の葛藤と希望--。上海国際映画祭で受賞「来し方 行く末」1
弔辞の代筆者の葛藤と希望--。上海国際映画祭で受賞「来し方 行く末」2

提供:キネマ旬報

夢破れた脚本家が辿り着いたのは、弔辞を代筆する仕事だった--。「牛皮」(原題/05)の俊才リウ・ジアイン監督が14年ぶりの新作として、キャストに「鵞鳥湖の夜」のフー・ゴーと「西湖畔に生きる」のウー・レイを迎えて撮り上げ、第25回上海国際映画祭で最優秀監督賞と最優秀男優賞(フー・ゴー)を受賞、第36回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門にも出品された「来し方 行く末」が、4月25日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開される。ポスタービジュアルと予告編が到着した。

大学院まで進みながら、脚本家として商業デビューが叶わなかったウェン・シャン(フー・ゴー)。どこか不思議なシャオイン(ウー・レイ)と同居し、葬儀場での《弔辞の代筆業》のアルバイトで生計を立てている。丁寧な取材に基づく弔辞は好評だが、ミドルエイジに差し掛かる当人は、暇を見つけては動物園に行き、このままで良いのか自問自答している。
同居していた父親との交流が少なかった男性、共に起業した友人の突然死に戸惑う会社員、余命宣告を受けて自身の弔辞を依頼する婦人、ネットで繋がった顔も知らない声優仲間を探す女性--。さまざまな依頼主と交流する中、ウェンの中で止まっていた時間がゆっくり動き出す。

「佐々木・イン・マイ・マイン」で佐々木役を務めた細川岳のナレーションにより、ウェンの日々を映し出していく予告編。ラストには名匠ジャ・ジャンクーの「弔辞を代筆するという監督独自の視点から人生の意味や家族の絆について深く問いかけ、あらゆる感情を揺さぶる作品だ」というレビューが登場する。静かなる葛藤と希望の物語に注目したい。

細川岳(俳優)コメント
死んだ誰かについて話す人たちはどこかぶっきらぼうだったり楽しそうだったり様々だ。
語り手の言葉には実感があり、表情やエピソードが素晴らしく豊かでいつのまにか身体が暖かい。
映画って不思議だ。
もうすこし、自分の人生を丁寧に生きたいと思った。

「来し方 行く末」
監督・脚本:リウ・ジアイン[劉伽茵]
出演:フー・ゴー[胡歌]、ウー・レイ[呉磊]、チー・シー[斎溪]、ナー・レンホア[娜仁花]、ガン・ユンチェン[甘昀宸]
2023年/中国/中国語/119分/カラー/1:1.85/5.1ch
原題:不虚此行 字幕:神部明世 配給:ミモザフィルムズ
©Beijing Benchmark Pictures Co.,Ltd
公式サイト:https://mimosafilms.com/koshikata

最終更新日
2025-01-30 11:58:45
提供
キネマ旬報(引用元

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