パリ・オペラ座で初演されて以来100年近く、時代と国境を越えて愛され続けている不朽の名曲「ボレロ」の誕生秘話を描いた「BOLERO(原題)」が邦題『ボレロ 永遠の旋律』として8月9日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショーとなることが決定。
音楽史上最も成功した名曲は、ラヴェル本人が最も憎んでいた曲だった――
天才の魂を奪った「魔の名曲」の誕生を描いた本格的音楽映画!
スネアドラムのリズムに導かれ、わずか2種類の旋律が楽器を替えて繰り返されるという、斬新かつシンプルな構成が聴衆の五感を虜にし、17分間の作品を貫くクレッシェンドが、カタルシスに満ちた壮大なフィナーレへと誘う「ボレロ」。だが、驚くべきことに、この音楽史上において最も成功したベスト&ロングセラー曲は、それを生み出した作曲家モーリス・ラヴェル本人が最も憎んでいた曲だったのだ──。本作は、天才作曲家の魂を奪った魔の名曲が誕生するまでとともに、痛みに満ちたその人生も描き出す。
監督は『ドライ・クリーニング』でヴェネチア国際映画祭の金オゼッラ賞に輝き、『ココ・アヴァン・シャネル』や『夜明けの祈り』でセザール賞にノミネートされたフランスを代表する実力派アンヌ・フォンテーヌ。
主人公ラヴェルを演じるのは、主演作『黒いスーツを着た男』(12)でアラン・ドロンの再来とフランスメディアに絶賛され旋風を巻き起こしたラファエル・ペルソナ。心身ともに繊細なラヴェルがその才能と人生を振り絞って音楽を生み出す姿を、青い炎のごとく表現した。ラヴェルの生涯にわたってのミューズにして魅惑的なミシアには『ベル・エポックでもう一度』でセザール賞主演女優賞にノミネートされたドリヤ・ティリエ。イダには自身もダンサーとしても活躍、『バルバラ ~セーヌの黒いバラ~』でセザール賞主演女優賞を受賞したジャンヌ・バリバール。また、ミシアの弟でラヴェルを温かく支え続けるシパに、『ダリダ~あまい囁き~』のヴァンサン・ペレーズが扮している。
ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による「ボレロ」に加え、「亡き王女のためのパヴァーヌ」「道化師の朝の歌」などの名曲を、ヨーロッパを代表するピアニストの一人であるアレクサンドル・タローが披露。ラヴェルの今なお輝く多彩な音楽が観る者を魅了するだけでなく、タローは出演も果たした。さらに、元パリ・オペラ座のエトワール、フランソワ・アリュが、生命力が爆発するような跳躍で踊るエンディングの「ボレロ」も見逃せない。
日本版予告編は、鍵盤に向かっていたラヴェルによって「ボレロ」の魅惑的な旋律が今まさに生み出されようとしていた時、その初めての観客となる家政婦が「その曲好きです。胸が熱くなる」と感想を語り、彼が安堵の笑みを浮かべる運命的な場面で幕を開ける。ダンサーのイダから自身のバレエのための作曲の依頼を受けたラヴェルは、試行錯誤の日々を経てこの曲をついに誕生させ、初演の大成功によって激変する彼の日常の一端が切り取られていく。しかし、ラヴェルは「こんな悪魔のような芸術にするな!」と激怒し、自身のすべてを注ぎ込んで作った曲によってその人生が侵食されていくことを暗示するセリフやシーンの数々が切り取られている。予告編ではこの楽曲が全面的に使用され、本作がいざなう音楽的高揚感も予感させる映像に仕上がった。
ビジュアルは、タクトを大きく振り上げるラヴェルの恍惚の様子を大きく捉え、背景には超満員で沸き上がるオペラ座の様子が。そして、<その音は、魂を奪う>と「ボレロ」そのもののみならず映画が描き出すラヴェルの人生をも示唆するキャッチコピーが添えられた。
----------------------------
© 2023 CINÉ-@ - CINÉFRANCE STUDIOS - F COMME FILM - SND - FRANCE 2 CINÉMA - ARTÉMIS PRODUCTIONS