作家・水上勉によるエッセイ『土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―』を原案に沢田研二主演、『ナビィの恋』『盆唄』の中江裕司が監督・脚本を手がけ映画化。沢田研二主演『土を喰らう十二ヵ月』が本年秋公開予定。
本作の主人公・ツトム(沢田研二)を支える担当編集者にして25歳年下の恋人・真知子役を務めるのは松たか子。ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」や舞台「ラ・マンチャの男」などフィールドを問わず活躍する松たか子が、どのようなヒロインを演じているのか。本作の原案は1978年(昭和53年)に雑誌「ミセス」(文化出版局刊)の 1 月号から 12 月号に連載された料理エッセイ(後に書籍化)。
水上勉は、女性編集者のすすめで、約一年間にわたり軽井沢の山荘にこもりました。畑を作り、子供の頃に禅寺で身につけた料理を作り、その様子を執筆するという生活を送りました。そのエッセイの豊かな世界観から着想を得て、中江裕司監督が独自に物語を創作しました。真知子は映画オリジナルのヒロインです。真知子役の松さんが登場する日は、撮影現場も華やいだ雰囲気に。スタッフ一同で真知子の魅力に目を奪われていました。編集を終えた中江裕司監督は「松さんが演じる真知子は、ゴダールの映画のアンナ・カリーナみたいで本当にチャーミング」と評しています。
ツトムの友人・大工役は「にっぽん縦断 こころ旅」(NHK プレミアム)の自転車旅でお馴染みの火野正平。ツトムが師と仰ぐ和尚の娘・文子役に、女優だけでなく、共著『ああ言えばこう食う』他でエッセイストとしても活躍する檀ふみ。美食家としても知られる作家の父・檀一雄は水上勉とも交流がありました。ツトムの義弟・隆役は数々の映画やドラマで活躍する名バイプレイヤーの尾美としのり。沢田研二とは 1988 年の『リボルバー』以来の共演。隆の妻・美香役に NHK 連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」など出演作が相次ぐ、西田尚美。中江監督の代表作『ナビィの恋』では主演を務めています。
写真屋役には、新宿末廣亭の今年の正月下席興行でトリを務めた注目の真打、落語家の瀧川鯉八。そしてツトムの義母には、演劇界の重鎮、92 歳にして現役の奈良岡朋子。日本の里山の美しい四季の移り変わりと、料理研究家の土井善晴が手掛ける料理の数々も描かれる本作。
主演の沢田研二を中心に、各方面で活躍する実力派キャストが揃っております。本作の完成をご期待ください。
©2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会