2016年に和平協定が結ばれるもいまだ不安定な状況が続く南米コロンビアの内戦を下敷きに、少年少女兵の過酷な運命を寓話的に描いたサバイバル・オデッセイ『MONOS 猿と呼ばれし者たち』。
今回解禁されたのは、定期的に視察にくる「組織」の司令官とおぼしき男 “メッセンジャー”がモノスのもとを訪れ、訓練を行う本編シーン。「組織に尽くせ、組織は家族だ。俺の子どもたち、お前らは猿(モノス)だ」と声を掛けながら、少年少女兵を肉体的に追い込む様子が描かれる。撮影は、標高4,000mを超えるコロンビアのチンガザ国立公園で行われ、寒さや空気の薄さに耐えながら訓練に励むリアルな様子が伝わる。
8人のモノスのうち、『キングス・オブ・サマー』の若手俳優モイセス・アリアスを除く7名は、演技未経験のコロンビアの若者が演じている。アレハンドロ・ランデス監督は、選考の過程について「キャスティングチームがコロンビア全土から800人以上の若者たちを集め、その中から選ばれた30人がアンデス山脈の高地で行われた基礎訓練キャンプに参加しました。そこでは即興や演技の練習のほかに、武器の持ち方や隊列の組み方などの軍事訓練を行いました。この訓練を指導したのは、ウィルソン・サラザールというFARC(コロンビア革命軍)を脱退したゲリラ組織の元司令官です。私はたちまち彼に惹かれ、最終的に“メッセンジャー”役を演じてもらうことになりました。そして、この過酷な訓練で生まれた人間関係やグループの力関係を見て、私たちは“モノス”になる8人を選びました。このプリプロダクションが本当にすべてでした。何週間もの間、人里離れた場所で、出演者が非常に近い距離で一緒に生活することで、ユニークでダイナミックな体験を共有することができたと思います。撮影が始まる前から、この体験が彼らを結びつけていたのです。」と語っている。
『MONOS 猿と呼ばれし者たち』は、10月30日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
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