89年の『どついたるねん』デビューから、『新・仁義なき戦い。』『KT』『半世界』『エルネスト』『団地』など、様々な世界の中に潜む“人間の本質”や“男”を描く事に定評を得てきた阪本順治監督の最新作が発表!
阪本監督が今回新たに描いた“男”は、昼間は妻にタジタジ、ハードボイルド気取りばかりでなんだか頼りない小説家・・・がしかし、夜になると、チマタで噂の伝説の殺し屋なのでは・・・と囁かれる、御年74歳の主人公。そんな昼と夜の顔を持ち合わせるキャラ濃いめの主人公、市川進/御前零児(ペンネーム)役に抜擢されたのは、ジャンルを問わず多くの作品に起用され続け、18年ぶりの映画主演作となる石橋蓮司。また脚本は、アウトローでハードボイルドな男を描かせたら右に出る者はいない丸山昇一が担当している。
市川の妻役には大楠道代、また阪本組に数多く出演している岸部一徳が共演。そして、本作で阪本組デビューを果たすのが、玉淀ひかる役の桃井かおり。他にも、石橋蓮司主演ならば!と自ら手を挙げ出演を望んだキャストも数多く、豪華名優達の出演が実現した。今後の情報解禁が待たれるところ。
★主演:石橋蓮司 コメント
「この作品は、撮影スケジュールをとにかくこなす、という事だけでなく、昔僕たちが若い時代に作っていた映画のように、アイデアを出し合ってやれた現場でした。夢を諦めながらも必死にしがみついていく我々世代の大人達の話です。言ってみれば、“昭和の時代の挽歌”というのでしょうか。ハードボイルドな作品ではあるのですが、あまりシリアス過ぎると共感を呼ばないので、「あくまで、これは喜劇なのだ」という阪本監督の姿勢には賛成でした。真面目にやればやるほど、ある意味喜劇になるかもしれない、はたまたリアリティとして受けとる人もいるでしょう。共感してくれる人がいてくれたら嬉しいですね。
ハードボイルド映画ですから、撮影中、もっとかっこよく歩きたいな、なんて思うんですが、年なんですね、まっすぐ歩こうとするけど余計によれちゃったりして。笑
映画の基礎を作ってきた 70 年代の厳しく激しい昭和の映画作りの現場や、80~90 年代も経験してきましたが、逆に一番のロマンを作ってきた時代だったな、と感じています。この映画は、お利口さんに生きる事ができず不器用で、でも心情的には熱いものがあって、時代に合わせて生きていく事ができない人間たちの物語です。それが昭和の人間の良さであり、”悪さ”とも思う。そんな作品になってくれればと思っています。 是非面白がって見て頂けたらと思います。」
★阪本順治監督 コメント
「これは、たとえ、ひとところにいようとも、流れ者たちのものがたり。排気ガスや煤煙や紫煙を肺いっぱいにすい込んできた世代が、せっせと音楽に、映画に、演劇に、涯は政治にからだを預け、そのなかで栄養を摂り、生きてきた。それがいま、「なんですか、この慈悲心のない、みせかけだけの時代は」と、不愉快きわまりない。が、それをぐっとのみこんで、「まあ、遊ぼじゃないか」と集まったものどうし、戯れ、じぶんたちのすきな世界をいつまでも求めて、ひとびとから距離を置き、いや、距離を置かれ、忘れ去られるのは、それはそれでさみしいなと、嘆いたりもするが、それよりずっと大切なじかんがあると、朝から晩までうろたえることをやめない、この作品は、そんな輩たちの、哀愁ただよう活劇&ど喜劇で....あ、そういえば、どこかの小説家が、どこかにこんな言葉を残していたらしい。「なにか言いたいやつは、みんなどこかおかしい」。どうか、日頃の鬱憤をありったけ持ち込んで、私たちの、架空に遊ぶ無邪気なさまを観ていただければ、きっと心は晴れやかに!」
2020年4月TOHOシネマズシャンテほか 全国ロードショー
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