S.キング自身を投影した主人公から伝えられること『ドクター・スリープ』原作者スティーヴン・キング特別インタビュー

S.キング自身を投影した主人公から伝えられること『ドクター・スリープ』原作者スティーヴン・キング特別インタビュー

最高傑作『シャイニング』の新たな恐怖を描き、11月8日に全米公開され大ヒット。日本でも試写会でいち早く鑑賞した人の中からは「キューブリック版のシャイニングと繋がるように、尚且つ前作でキングが納得いかなかった不足要素が描かれつつ完結してる」、「恐怖と感動が同時に来るという新体験」、「ファンによるファンのための続編映画」、「ホラーは大の苦手だけど、それを感じさせないぐらい圧倒させられた」と激賞レビューが続出中の『ドクター・スリープ』。
ホラー映画歴代興収No.1『IT/イット』の原作者、スティーヴン・キングが次に仕掛ける“最大の謎”―。歴史的最高傑作『シャイニング』から40年、237号室、バスタブの中の老婆、双子の姉妹、そして血のエレベーター…、 少年だったダニーが、再び“呪われたホテル”へ。なぜ、戻るのか。そして、ダニーは父と同じ運命を辿ってしまうのか…。
今回、原作者であるスティーヴン・キングの特別インタビューが到着。

「私はいつも言ってきたんだが、スタンリー・キューブリックの映画版と私の小説の違いは、彼の映画が氷で終わるのに対し、私の小説は炎で終わるという点なんだ。しかし、大人になったダニー・トランスのストーリーを、マイク・フラナガン監督が、自身の明らかにおおらかな心を通して研究してくれた。だからこそ彼はキューブリックの映画をもう少し先へと進めることができ、それによっていろいろな点に“温かさ”が加わっている。この映画はふたつのことをやっている。
まず、これは小説「ドクター・スリープ」の見事な映画版であること。そしてまた、スタンリー・キューブリックの映画『シャイニング』のすばらしい続編であることだ。マイクは、映画『シャイニング』では起きたが、小説「シャイニング」では起きなかったこともいくつかあるという“世界”で、この映画に取り組み、この二つのテーマをうまく成し遂げている。
私は、感情的な反応を得られるたびにうれしく思うんだ。それは私が大事にしていることのひとつだ。私は読者に気にしてほしい。読者の心を動かしたい。ホラーというのは、いうなれば、ギターの唯一の弦のようなもの。ほかにも多くのものもある。私は読者を、人間として共感できる人々に会わせたい。友達である人々、世話をする人々、保護者である人々。それがだいたいにおいて、怖い部分をより怖くする要素なんだ。
「ドクター・スリープ」を執筆したとき、私は長い間、断酒をしていた。私はその視点からダニーのストーリーを書きたかった。というのは……。いや、私は別に自分がふたりの別の人間だったと言うつもりはないよ。それだとこのストーリーを誇張することになってしまうからね。ただ、私自身、「シャイニング」を書いたときの自分とは、相当違っているし、人生において違う場所にいる。それが「ドクター・スリープ」を書こうと思った推進力のひとつだった。このキャラクターに関しては、自分がもっと広い視点で描けると感じたんだよ。
私がやりたくなかったのは、酒を飲むとか飲まないとかについての道徳的なメッセージみたいなものにすることだった。私が目指したのは、このキャラクターを読者、あるいは観客に見せて、何が起きたかを基に、彼ら自身で判断してもらうことだったんだ。
絵を書くのが好きだったら、それを隠す必要はない。絵をみんなに見せればいい。文字を書くのが好きだったら、書いた文章を勇気を出してみんなに見せればいいんだ。予想される最悪の事態は、誰かが「好きじゃない」と言うだけだ。そしてそれは本当に最悪なことではない。鋭利なもので目を刺されるほど悪くないだろう」

キング自身を投影したキャラクター、ダニーの前にどんな運命が待ち受けるのか。その真相は、映画館で明らかになる。今、40年の時を経て、『シャイニング』のホテルの呪いが解き放たれる!全世界が“新たな恐怖”を体験する―スティーヴン・キングが仕掛ける“最大の謎”『ドクター・スリープ』は、11月29日(金)全国ロードショー。

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最終更新日
2019-11-27 12:00:00
提供
映画の時間編集部

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